日商簿記3級と日商簿記2級は70点以上の点数を取らなければ合格できない「絶対試験」なので、簡単な試験のときは合格率が大幅に上がり、難しい試験のときは合格率が大幅に下がります。
しかし、日商簿記1級は違います。
日商簿記1級は「相対試験」と言われており、合格するための目安の点数が70点というだけで、実際には受験者の上位10%の成績を取る必要があります。
試験問題の7割以上正解できていても10点だったり、5割しか正解できていなくても18点ということがあるのが特徴です。
相対試験なので傾斜配点が行われていると考えられます。
目次
合格率の比較 合格率は低くなった?
第167回の合格率は10.5%でした。
日商簿記1級の153回から167回の合格率は下記の通りです。
最高合格率は16.8%、最低合格率は7.9%、平均合格率は10.2%です。
回 | 受験者数 | 実受験者数 | 合格者 | 合格率 |
167(2024.6.9) | 11,798名 | 9,457名 | 992名 | 10.5% |
165(2023.11.19) | 12,886名 | 10,251名 | 1,722名 | 16.8% |
164(2023.6.11) | 11,468名 | 9,295名 | 1,164名 | 12.5% |
162(2022.11.20) | 12,286名 | 9,828名 | 1,027名 | 10.4% |
161(2022.6.12) | 11,002名 | 8,918名 | 902名 | 10.1% |
159(2021.11.21) | 11,389名 | 9,194名 | 935名 | 10.2% |
158(2021.6.13) | 9,310名 | 7,594名 | 746名 | 9.8% |
157 (2021.2.28) | 7,785名 | 6,351名 | 502名 | 7.9% |
156 (2020.11.15) | 10,078名 | 8,553名 | 1,158名 | 13.5% |
153(2019.11.17) | 9,481名 | 7,520名 | 735名 | 9.8% |
平均合格率 | 10.2% |
日商簿記1級の138回から152回の合格率は下記の通りです。
最高合格率は13.4%、最低合格率は5.9%、平均合格率は9.2%です。
回 | 受験者数 | 実受験者数 | 合格者 | 合格率 |
152(2019.6.9) | 8,438名 | 6,788名 | 575名 | 8.5% |
150(2018.11.18) | 9,852名 | 7,588名 | 680名 | 9.0% |
149(2018.6.10) | 9,429名 | 7,501名 | 1,007名 | 13.4% |
147(2017.11.19) | 10,675名 | 8,286名 | 487名 | 5.9% |
146(2017.6.11) | 9,064名 | 7,103名 | 626名 | 8.8% |
144(2016.11.20) | 11,062名 | 8,416名 | 783名 | 9.3% |
143(2016.6.12) | 9,845名 | 7,792名 | 846名 | 10.9% |
141(2015.11.15) | 11,791名 | 9,087名 | 873名 | 9.6% |
140(2015.6.14) | 10,361名 | 8,108名 | 716名 | 8.8% |
138(2014.11.16) | 12,882名 | 9,931名 | 877名 | 8.8% |
平均合格率 | 9.2% |
合格するのが難しい理由
足きり制度がある
4科目のうち、1科目でも10点未満の点数だと、その時点で不合格になってしまいます。
不得意科目や未学習項目を作らずに、試験範囲を満遍なく勉強する必要があります。
試験範囲が膨大
日商簿記2級は商業簿記と工業簿記の2科目でしたが、日商簿記1級は商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4科目あります。
試験範囲が膨大にもかかわらず、試験では学習範囲のごく一部しか出題されないという特徴があり、ヤマをはらずに試験に臨む必要があります。
受験生のレベルが高い
日商簿記1級の受験生のなかには、公認会計士試験の力試しに受験する人がいます。
公認会計士を目指している受験生のほとんどは高学歴です。
日商簿記1級は相対試験なので、高学歴で公認会計士を目指している人と肩を並べて勝負する必要があります。
合格率が低い
日商簿記1級の合格率は約10%です。
合格率で比較すれば難関国家試験と同じくらいの難易度です。
資格スクールを利用すべき?
2級までは独学でも何とかなりますが、1級は資格スクールを利用した方がいいです。
日商簿記1級は相対試験なので、受験生の中で自分のレベルはどのくらいなのかを普段から把握することが大切です。
資格スクールを利用することで客観的に自分のレベルを把握することができます。
さらに独学よりも学習時間を短縮することができるメリットがあります。
日商簿記1級に合格するために必要な学習時間は、独学だと「約600~800時間」が目安ですが、予備校の利用だと「約350~450時間」が目安です。
独学の場合、テキストを読んでも理解できない論点があったときに誰も教えてくれる人がいないので、インターネットで調べたりテキストを何度も読み返したりするので時間がかかってしまいがちです。
私は独学で合格できなかったのでネットスクールを利用しました。
選んだ理由は値段です。
私は1級速修コースを受講して合格しました。
講義スケジュールは標準コースよりも詰め込まれていて大変なので、自分のライフスタイルに合っているか確認してください。
参考書はネットスクールのサイトで直接買った方が割引価格で購入できるのでお得です。
まとめ
近年では、日商簿記1級の合格率は10%前後で推移しており、難易度は上がっています。
受験者の中には公認会計士の力試しに受ける人もいるので難易度が高い試験と言えます。
日商簿記1級の受験者数は1万人以上で最近は増加傾向です。日商簿記1級で学んだことは、公認会計士試験や税理士試験にも役立ちますし、転職活動でも有利になるので諦めずに挑戦してください。
【関連項目】
日商簿記(ネット試験)の合格率
日商簿記3級のネット試験と統一試験(ペーパー試験)の合格率を比較【難易度は同じ?】
日商簿記2級のネット試験と統一試験(ペーパー試験)の合格率を比較【難易度は同じ?】
日商簿記(統一試験)の合格率
日商簿記3級は難易度が上がった?【過去の合格率と比較】
日商簿記2級は難易度が上がった?【過去の合格率と比較】
日商簿記1級は難易度が上がった?【過去の合格率と比較】