簿記

【自社ポイント】消費税等を考慮する場合の仕訳、会計処理

2021年8月22日

自社ポイントとは、顧客に付与されたポイントが将来自社で使用することができるポイントのことをいいます。自社ポイントは別個の履行義務として識別し、「契約負債」に計上します。

この記事では、消費税等を考慮する場合の自社ポイントについて解説します。

会計上の取扱い

商品の売買時

当社は、顧客の100円(税込み)の購入につき1ポイントの自社ポイントを付与している。顧客は1ポイントにつき当社の商品1円と交換できる。
当社は顧客に11,000円(税込み)の商品を現金で販売し、110ポイントを付与した。過去の実績からポイントの消化率を100%と見込んでいる。当社は当該ポイントを顧客に付与する重要な権利と認識しているが、顧客は付与されたポイントについて認識しない。なお、消費税率10%とし、端数が生じた場合は円未満を四捨五入する。

 

当社(売手)

借方 金額 貸方 金額
現金 11,000 売上 9,891 ※4
契約負債 109 ※5
仮受消費税等 1,000 ※6

※1 11,000円×100/110=10,000円(取引価格)
※2 ポイントの独立販売価格(使用されると見積もったポイント) 110円
※3 独立販売価格の合計 商品10,000円+ポイント110円=10,110円
※4 10,000円×10,000/10,110=9,891円
※5 10,000円×110/10,100=109円
※6 11,000円×10/110=1,000円

取引価格を算定するために、税抜処理をします。仮受消費税等は、税込みの販売価格に10/110を乗じて算出します。

 

顧客(買手)

借方 金額 貸方 金額
仕入 10,000 ※1 現金 11,000
仮払消費税等 1,000 ※2

※1 11,000円×10/110=10,000円
※2 11,000円×10/110=1,000円

 

ポイント使用時

当社は顧客に商品1,100円(税込み)を販売し、1,100ポイントが使用された。

 

当社(売手)

借方 金額 貸方 金額
 契約負債 975 ※1 売上 975

※1 契約負債975円×1,100ポイント/1,100ポイント=975円

 

顧客(買手)

処理なし ※1

※1 ポイント使用を仕入値引などとする会計処理もあります。

基本

【契約負債】自社が運営するポイントの仕訳、会計処理について解説

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法人税法上の取扱い

会計上の取扱いと同じ処理です。

 

消費税法上の取扱い

商品の売買時

当社は、顧客の100円(税込み)の購入につき1ポイントの自社ポイントを付与している。顧客は1ポイントにつき当社の商品1円と交換できる。
当社は顧客に11,000円(税込み)の商品を現金で販売し、110ポイントを付与した。過去の実績からポイントの消化率を100%と見込んでいる。当社は当該ポイントを顧客に付与する重要な権利と認識しているが、顧客は付与されたポイントについて認識しない。なお、消費税率10%とし、端数が生じた場合は円未満を四捨五入する。

 

当社(売手)

課税売上げの対価 11,000円×100/110=10,000円
課税売上げに係る消費税額 10,000円×10%=1,000円

 

顧客(買手)

課税仕入れの対価 11,000円×100/110=10,000円
課税仕入れに係る消費税額 10,000円×10%=1,000円

 

ポイント使用時

当社は顧客に商品1,100円(税込み)を販売し、1,100ポイントが使用された。

 

当社(売手)

課税売上げの対価 1,100円×100/110=1,000円
課税売上げに係る消費税額 1,000円×10%=100円
対価の返還等(ポイント分) 1,100円×100/110=1,000円
売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額 (1,100円×100/110)×10%=100円
差引消費税額 100円-100円=0円

 

顧客(買手)

課税仕入れの対価 1,100円×100/110=1,000円
課税仕入れに係る消費税額 1,000円×10%=100円
対価の返還等(ポイント分) 1,100円×100/110=1,000円
仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額 (1,100円×100/110)×10%=100円
差引消費税額 100円-100円=0円

 

具体例

下記の資料に基づいて、問1、問2の仕訳を示しなさい。

<資料>
当社は、顧客の100円(税込み)の購入につき1ポイントの自社ポイントを付与している。顧客は1ポイントにつき当社の商品1円と交換できる。
過去の実績からポイントの消化率を90%と見込んでいる。当社は当該ポイントを顧客に付与する重要な権利と認識しているが、顧客は付与されたポイントについて認識しない。なお、消費税率10%とし、端数が生じた場合は円未満を四捨五入する。

 

問1
x3年6月10日、当社は商品55,000円(税込み)を現金で販売し、販売価格に対して1%の自社ポイントを付与した。

 

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
現金 55,000 売上 49,510 ※4
契約負債 490 ※5
仮受消費税等 5,000 ※6

※1 55,000円×100/110=50,000円(取引価格)
※2 ポイントの独立販売価格(使用されると見積もったポイント) 55,000円×1%×90%=495円
※3 独立販売価格の合計 商品50,000円+ポイント495円=50,495円
※4 50,000円×50,000/50,495=49,510円(四捨五入)
※5 50,000円×495/50,495=490円(四捨五入)
※6 55,000円×10/110=5,000円

 

問2
x3年6月25日、当社は商品300円(税込み)を販売し、問1で付与したポイントで決済された。

 

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
契約負債  297 ※1 売上297

※1 契約負債490円×300ポイント/495ポイント=297円(四捨五入)

商品300円を販売しても、売上300円にならない点に注意してください。

まとめ

  • 取引価格を算定するために税抜処理をする。
  • 仮受消費税等を計上する。
  • 上記の2つ以外は、消費税等を考慮を考慮しない場合と同様の処理をする。

基本【契約負債】自社が運営するポイントの仕訳、会計処理について解説

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