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【簿記】二分法と三分法の違いをわかりやすく解説【例題で比較】

2021年12月23日

商品売買の記帳方法は三分法以外にも分記法、総記法、売上原価対立法、二分法などの方法があります。

この記事では「二分法」と「三分法」の違いと仕訳の方法について説明します。

二分法

二分法とは、商品の売買取引について「商品」「売上原価」「売上」の3つの勘定科目を用いて処理する方法です。

「二分法」という名称ですが、3つの勘定科目を使用するので注意してください。

 

ココがポイント

  • 商品を仕入れたときに原価で商品勘定の借方に記入する。
  • 販売したときに売価で売上勘定の貸方に記入する。
  • 期中は商品勘定と売上勘定のみで処理をしているので、売上原価を算定するために決算整理が必要。
「二分法」は「売上原価対立法」と使用する勘定科目が同じだね。

 

仕訳パターン

・仕入時
商品2,000円を掛で仕入れた。

借方 金額 貸方 金額
商品 2,000 買掛金 2,000

 

・売上時
商品2,100円(原価1,400)を掛で販売した。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 2,100 売上 2,100

 

・仕入値引
掛で仕入れた商品のうち300円の値引きを受けた。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 300 商品 300

 

・仕入返品
掛で仕入れた商品のうち200円を返品した。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 200 商品 200

 

・売上値引
掛で売り上げ商品のうち120円の値引きをした。

借方 金額 貸方 金額
売上 120 売掛金 120

 

・売上返品
掛で売り上げ商品のうち450円(原価300円)の返品を受けた。

借方 金額 貸方 金額
売上 450 売掛金 450

 

・決算整理
期首商品棚卸高600円、期末商品棚卸高1,000円である。

借方 金額 貸方 金額
売上原価 1,100 ※1 商品 1,100

※1  期首商品棚卸高600円+仕入2,000円-仕入値引300円-仕入返品200円-期末商品棚卸高1,000円=1,100円

 

三分法

三分法とは、商品の売買取引について「仕入」「売上」「繰越商品」の3つの勘定科目を用いて処理する方法です。

三分法は「三分割法」と呼ばれることもあります。

 

ココがポイント

  • 商品を仕入れたときに原価で仕入勘定の借方に記入する。
  • 販売したときに売価で売上勘定の貸方に記入する。
  • 決算整理で売れ残り商品の原価を繰越商品勘定へ振り替える。

 

仕訳パターン

・仕入時
商品2,000円を掛で仕入れた。

借方 金額 貸方 金額
仕入 2,000 買掛金 2,000

 

・売上時
商品2,100円(原価1,400)を掛で販売した。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 2,100 売上 2,100

 

・仕入値引
掛で仕入れた商品のうち300円の値引きを受けた。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 300 仕入 300

 

・仕入返品
掛で仕入れた商品のうち200円を返品した。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 200 仕入 200

 

・売上値引
掛で売り上げ商品のうち120円の値引きをした。

借方 金額 貸方 金額
売上 120 売掛金 120

 

・売上返品
掛で売り上げ商品のうち450円(原価300円)の返品を受けた。

借方 金額 貸方 金額
売上 450 売掛金 450

 

・決算整理
期首商品棚卸高600円、期末商品棚卸高1,000円である。

借方 金額 貸方 金額
仕入 600 繰越商品 600
繰越商品 1,000 仕入 1,000

 

二分法と三分法の違い

二分法 三分法
使用する勘定科目 ・商品(資産)
・売上(収益)
・売上原価(費用)
・仕入(費用)
・売上(収益)
・繰越商品(資産)
決算整理仕訳 必要 必要

 

 

例題:二分法と三分法の比較

①仕入時

商品2,000円を掛で仕入れた。

二分法 三分法
借方 金額 貸方 金額
商品 2,000 買掛金 2,000
借方 金額 貸方 金額
仕入 2,000 買掛金 2,000

 

②売上時

商品2,100円(原価1,400)を掛で販売した。

二分法 三分法
借方 金額 貸方 金額
売掛金 2,100 売上 2,100
借方 金額 貸方 金額
売掛金 2,100 売上 2,100

 

③仕入値引
掛で仕入れた商品のうち300円の値引きを受けた。

二分法 三分法
借方 金額 貸方 金額
買掛金 300 商品 300
借方 金額 貸方 金額
買掛金 300 仕入 300

 

④仕入返品
掛で仕入れた商品のうち200円を返品した。

二分法 三分法
借方 金額 貸方 金額
買掛金 200 商品 200
借方 金額 貸方 金額
買掛金 200 仕入 200

 

⑤売上値引
掛で売り上げ商品のうち120円の値引きをした。

二分法 三分法
借方 金額 貸方 金額
売上 120 売掛金 120
借方 金額 貸方 金額
売上 120 売掛金 120

 

⑥売上返品
掛で売り上げ商品のうち450円(原価300円)の返品を受けた。

二分法 三分法
借方 金額 貸方 金額
売上 450 売掛金 450
借方 金額 貸方 金額
売上 450 売掛金 450

 

⑦決算整理前残高試算表(前T/B)

期首商品棚卸高600円、期末商品棚卸高1,000円である。

二分法 三分法
借方:商品2,100円

貸方:売上1,530円

借方:繰越商品600円、仕入1,500円

貸方:売上1,530円

(注)売掛金、買掛金は省略。

 

⑧決算整理

期首商品棚卸高600円、期末商品棚卸高1,000円である。

二分法 三分法
借方 金額 貸方 金額
売上原価 1,100 商品 1,100
借方 金額 貸方 金額
仕入 600 繰越商品 600
繰越商品 1,000 仕入 1,000

 

⑨決算整理後残高試算(後T/B)

二分法 三分法
借方:商品1,000円、売上原価1,100円

貸方:売上1,530円

借方:繰越商品1,000円、仕入1,100円

貸方:売上1,530円

(注)売掛金、買掛金は省略。

二分法、三分法のどちらで計算しても利益は同じとなります。

二分法:売上1,530円-売上原価1,100円=430円(利益)

三分法:売上1,530円-仕入1,100円=430円(利益)

 

まとめ

  • 二分法は「商品」「売上原価」「売上」の3つの勘定を使用し、決算整理仕訳が必要。
  • 三分法は「仕入」「売上」「繰越商品」の3つの勘定を使用し、決算整理仕訳が必要。
  • 二分法、三分法のどちらで計算しても利益は同額となる。

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