原価率は、「事前原価率」と「事後原価率」があります。
簿記検定などでは、指示がない場合、原価率は「事前原価率」のことを意味します。
この記事では「事前原価率」と「事後原価率」の求め方と違いついて解説します。
目次
事前原価率の求め方
事前原価率とは、仕入れた商品に対して売価を決定した時点で算定された「当初の原価率」のことをいいます。
事前原価率は、「総売上高」から「売上戻り」を差し引いたものを分母、「売上原価」を分子にして算出します。
事後原価率の求め方
事後原価率とは、売上値引・売上割戻しを差し引いた後の売上高に基づく「最終の原価率」のことをいいます。
事後原価率は、「総売上高」から「売上戻り」「売上値引」「売上割戻し」を差し引いたものを分母、「売上原価」を分子にして算出します。
事前原価率と事後原価率の違い
事前原価率と事後原価率の違いは、総売上高から「売上値引」「売上割戻」を控除するかしないかです。
- 事前原価率は、総売上高から「売上値引」「売上割戻」を控除しない。
- 事後原価率は、総売上高から「売上値引」「売上割戻」を控除する。
なお、仕入に関する「返品」「値引」「割戻し」は、事前原価率と事後原価率で処理に違いはありません。
事前原価率
売上 | 仕入 | |
返品 | 控除する | 控除する |
値引・割戻し | 控除しない | 控除する |
事後原価率
売上 | 仕入 | |
返品 | 控除する | 控除する |
値引・割戻し | 控除する | 控除する |