貸倒懸念債権 財務内容評価法

簿記

【貸倒懸念債権】財務内容評価法の仕訳と貸借対照表の表示区分

2020年5月3日

貸倒懸念債権に対する貸倒引当金の設定方法の一つに財務内容評価法があります。

財務内容評価法とは、担保又は保証が付されている債権について、債権額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額について債務者の財政状態及び経営成績を考慮して貸倒見積高を算定する方法です。

具体的には債務者が全額返済してくれなさそうなときに、確実に返してもらえる金額は担保の分だけと判断し、債権の額から担保の額を差し引いた残額を貸倒見積高とします。

 

算定方法

貸倒見積高=(債権額-担保の処分見込額および保証による回収見込額)×個々の債権の引当率

 

貸倒懸念債権に対する貸倒引当金の設定方法には、財務内容評価法以外にキャッシュ・フロー見積法があります。キャッシュ・フロー見積法は将来キャッシュフローを合理的に見積もることが条件なので、合理的に見積もることができない場合は採用することができません。したがって、財務内容評価法により算定することになります。

 

貸借対照表の表示区分

貸倒懸念債権に分類された債権は、貸借対照表上、受取手形や売掛金などの債権に含めて表示します。
一般債権との違いは、貸倒見積高の算定方法だけです。

 

具体例

設例1

次の資料の基づき、決算日における仕訳を示しなさい。なお、円未満の端数が生じた場合は、四捨五入する。(会計期間:x1年4月1日~x2年3月31日)

【資料】
当社はA社に対する売掛金1,000,000円を有している。A社は経営破綻の状態には至っていないが、債務の弁済に重大な問題が生じる可能性があるため、貸倒懸念債権として、財務内容評価法で貸倒引当金を設定することとした。A社の担保の処分見込額は250,000円であり、A社の債権残額から担保を控除した残高の50%を設定する。

 

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
貸倒引当金繰入 375,000 貸倒引当金 375,000 *1

*1 (1,000,000円-担保の処分見込額250,000円)×50%=375,000円

 

設例2

次の資料の基づき、決算日における仕訳を示しなさい。なお、円未満の端数が生じた場合は、四捨五入する。(会計期間:x1年4月1日~x2年3月31日)
 
【資料】
当社はA社に対する受取手形2,000,000円を有している。A社は経営破綻の状態には至っていないが、債務の弁済に重大な問題が生じる可能性があるため、貸倒懸念債権として、財務内容評価法で貸倒引当金を設定することとした。A社の担保の処分見込額500,000円及び保証による回収見込額200,000円を控除した残額の50%を貸倒引当金に設定する。

 

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
貸倒引当金繰入 650,000 貸倒引当金 650,000 *1

*1 (2,000,000円-担保の処分見込額500,000円-保証による回収見込額200,000円)×50%=650,000円

 

まとめ

貸倒見積高=(債権額-担保の処分見込額および保証による回収見込額)×個々の債権の引当率

貸倒懸念債権に分類された債権は、貸借対照表上、受取手形や売掛金などの債権に含めて表示する。
一般債権との違いは、貸倒見積高の算定方法だけ。

貸倒懸念債権の財務内容評価法は、キャッシュ・フロー見積法よりも計算方法が簡単なので、簿記検定で出題された場合は得点源にしてください。

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