貸倒れが生じて、売掛金などの債権の回収できなくなった場合には、売上時に発生した消費税額(仮受消費税等)が過大計上になるため、税額控除をする必要があります。
この記事では、売掛金が貸倒れた場合の消費税の取り扱いについて解説します。
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目次
前期発生の売上債権
前期に発生した売上債権が、当期に貸し倒れた場合、貸倒引当金を取り崩します。
税抜方式の場合
<例>
前期発生の売掛金11,000円が貸し倒れた。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仮受消費税等 | 1,000 ※1 | 売掛金 | 11,000 |
貸倒引当金 | 10,000 ※2 |
※1 11,000円÷1.1×10%=1,000円
※2 11,000円-1,000円=10,000円
税込方式の場合
<例>
前期発生の売掛金11,000円が貸し倒れた。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
貸倒引当金 | 11,000 | 売掛金 | 11,000 |
当期発生の売上債権の場合
当期に発生した売上債権が、当期に貸し倒れた場合、その売上債権については貸倒引当金の設定を行っていないため、貸倒損失勘定を使用します。
税抜方式の場合
<例>
当期発生の売掛金11,000円が貸し倒れた。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仮受消費税等 | 1,000 ※1 | 売掛金 | 11,000 |
貸倒損失 | 10,000 ※2 |
※1 11,000円÷1.1×10%=1,000円
※2 11,000円-1,000円=10,000円
税込方式の場合
<例>
当期発生の売掛金11,000円が貸し倒れた。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
貸倒損失 | 11,000 | 売掛金 | 11,000 |
まとめ
- 消費税の会計処理は「税抜方式」と「税込方式」がある。
- 前期に発生した売上債権が、当期に貸し倒れた場合、貸倒引当金を取り崩す。
- 当期に発生した売上債権が、当期に貸し倒れた場合、貸倒損失を計上する。