この記事では、販売手数料の仕訳や表示区分、消費税の計算方法について解説します。
目次
販売手数料とは
販売手数料とは、商品の販売やサービスの提供について、あらかじめ定められた契約に基づき、取引数量や取引金額などに応じて、代理店・仲介人等に支払う手数料のことをいいます。
なお、支払手数料は、販売に直接必要な費用ではないため、販売手数料と区別して「支払手数料」勘定で処理します。混同しないように注意してください。
損益計算書の表示区分
勘定科目(表示科目) | 表示区分 |
販売手数料 | 販売費及び一般管理費 |
仕訳パターン
販売手数料1,500円を現金で支払った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
販売手数料 | 1,500 | 現金 | 1,500 |
販売手数料と交際費の違い
販売手数料と交際費を区別することは難しく、判断に迷うことがあります。
販売手数料と交際費の違いは、販売に関連した「正当な対価」であるかどうかです。
販売手数料として支払う場合は、販売に関連した「正当な対価」であることを示す必要があります。
販売手数料に該当するかどうかのポイントは下記のとおりです。
- あらかじめ定められた契約に基づいているもの
- 提供を受けるサービスの内容が明確であり、実際にそのサービスの提供を受けていること
- 支払金額が、提供を受けたサービスの内容に対して適切なもの
なお、国税庁は交際費について、下記のように明記しています。
出典:国税庁
消費税の取り扱い
消費税法上、販売手数料は課税仕入れに該当するため、消費税が課されます。販売手数料は軽減税率の対象ではないため、標準税率(10%)が適用されます。
消費税の計上を「税抜き方式」「税込み方式」のどちらを採用するかについては、会社の方針によります。
税抜き方式
<例>
販売手数料2,200円を現金で支払った。なお、当社は、消費税の処理については税抜き方式を採用している。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
販売手数料 | 2,000 ※1 | 現金 | 2,200 |
仮払消費税等 | 200 ※2 |
※1 2,200円÷1.1=2,000円
※2 2,200円÷1.1×0.1=200円
税込み方式
<例>
販売手数料2,200円を現金で支払った。なお、当社は、消費税の処理については税込み方式を採用している。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
販売手数料 | 2,200 | 現金 | 2,200 |
まとめ
- 販売手数料は、損益計算書の販売費及び一般管理費に計上する。
- 販売手数料は、販売に関連した「正当な対価」であることを示す必要がある。
- 販売手数料は課税仕入れに該当するため、消費税が課される。