小口現金

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【簿記】小口現金の仕訳と貸借対照表の表示区分をわかりやすく解説【補充のタイミングに注意】

2022年5月4日

小口現金とは、郵便料金や交通費などの少額の出費を管理するために用意しておく現金のことをいいます。

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小口現金制度

小口現金制度とは、交通費や郵便料金などといった取引で必要になる少額の現金による支払いのための資金を用度係にあらかじめ渡しておき、用度係が現金による取引を行う方法をいいます。
小口現金の管理方法の一つに、 定額資金前渡制度(インプレスト・システム)があります。

 

定額資金前渡制度(インプレスト・システム)

定額資金前渡制度とは、一定期間(1ヵ月が多い)に使用する必要額を用度係に前払しておき、用度係から報告を受けた金額と同額だけ資金の補給をする方法をいいます。
資金の補給時期には、一定期間の末日補給と初日補給の2つの場合があります。

 

貸借対照表の表示区分と表示科目

小口現金は貸借対照表(B/S)の「流動資産」に分類されます。
表示科目は「現金」または「現金及び預金」です。

小口現金は「現金」に含めて表示するので注意してください。

 

具体例:末日補給制

次の一連の取引につき、末日補給制を採用した場合の各時点の仕訳を示しなさい。

①4月1日より定額資金前渡制度を採用することになり、用度係に現金70,000円を渡した。

②4月30日に用度係より下記の4月中の小口現金の支払い報告を受けた。なお、当社は小口現金の補給について末日補給制を採用している。
通信費13,000円、旅費交通費45,000円、消耗品費3,000円、雑費5,000円

 

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
小口現金 70,000 現金 70,000

 


報告を受けた時の仕訳

借方 金額 貸方 金額
通信費 13,000 小口現金 66,000
旅費交通費 45,000
消耗品費 3,000
雑費 5,000

 

小口現金の補給時の仕訳

借方 金額 貸方 金額
小口現金 66,000 現金 66,000

注意ポイント


末日補給制を採用しているので、4月30日に小口現金の補給の仕訳を行います。

 

具体例:初日補給制

次の一連の取引につき、初日補給制を採用した場合の各時点の仕訳を示しなさい。

①4月1日より定額資金前渡制度を採用することになり、用度係に現金70,000円を渡した。

②4月30日に用度係より下記の4月中の小口現金の支払い報告を受けた。なお、当社は小口現金の補給について初日補給制を採用している。
通信費13,000円、旅費交通費45,000円、消耗品費3,000円、雑費5,000円

 

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
小口現金 70,000 現金 70,000

 


報告を受けた時の仕訳

借方 金額 貸方 金額
通信費 13,000 小口現金 66,000
旅費交通費 45,000
消耗品費 3,000
雑費 5,000

 

小口現金の補給時の仕訳

仕訳不要

注意ポイント


初日補給制を採用しているので、4月30日に小口現金の補給は行いません。5月1日に小口現金の補給を行います。

 

【補足:初日補給制を採用した場合は5月1日に小口現金の補給時の仕訳します。】
5月1日の仕訳

借方 金額 貸方 金額
小口現金 66,000 現金 66,000

 

まとめ

小口現金のポイントは資金の補給時期です。
定額資金前渡制度を採用しているのどうか、末日補給なのか初日補給なのか確認することが大切です。

仕訳自体は難しくないので、簿記検定で出題された場合は得点源にしてください。

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