総仕入高と純仕入高の違い【損益計算書はどっちで表示する？】

仕入高には「総仕入高」と「純仕入高」の２種類あります。総仕入高と純仕入高の違いは、返品・値引・割戻の取り扱いです。
総仕入高と純仕入高は混同しやすい論点なので注意してください。

総仕入高

総仕入高とは、仕入値引き･仕入割戻し・仕入戻り（返品）といった仕入高控除項目を減少させる前の仕入高をいいます。

純仕入高

純仕入高とは、総仕入高から仕入値引き･仕入割戻し・仕入戻り（返品）といった仕入高控除項目を減少させた後の仕入高をいいます。

損益計算書（P/L）の当期商品仕入高

損益計算書（P/L）の当期商品仕入高は純仕入高で表示します。

具体例

設問１

総仕入高と純仕入高を答えなさい。

①７月10日にＡ社はＢ社から商品10,000円（単価1,000円×10個）を掛で仕入れた。

②７月12日に仕入れた商品について500円の値引きを受けた。

③７月15日に700円の仕入割戻しを受けた。

④７月17日にＢ社から仕入れた商品のうち2,000円の返品をした。

【解答・解説】
総仕入高：10,000円　純仕入高：6,800円

総仕入高は仕入値引き、仕入割戻し、仕入戻りを控除する前の金額なので10,000円です。
純仕入高は10,000円－500円（仕入値引き）－700円（仕入割戻し）－2,000円（仕入戻り）=6,800円です。

設問２

総仕入高と純仕入高を答えなさい。

①８月11日にＡ社はＢ社から商品30,000円（単価3,000円×10個）を掛で購入した。

②８月14日に仕入れた商品のうち2,000円の返品をした。

③８月15日に仕入れた商品について500円の値引きを受けた。

④８月18日に700円の仕入割戻しを受けた。

⑤８月20日にA社は期限よりも早く支払いを行ったため、B社から500円の仕入割引を受けた。

【解答・解説】
総仕入高：30,000円　純仕入高：26,800円

総仕入高は仕入値引き、仕入割戻し、仕入戻りを控除する前の金額なので30,000円です。
純仕入高は30,000円－2,000円（仕入戻り）－500円（仕入値引き）－700円（仕入割戻し）=26,800円です。

【補足】
仕入割引は営業外収益です。上記の８月20日の仕訳を見てもわかる通り、総仕入高から控除しません。
仕入割引とは、買掛金の代金が支払期限前に支払われた場合に、その早く代金を支払った期間分の利息相当の金額を営業外収益として処理します。

まとめ

純仕入高＝総仕入高－（仕入値引き＋仕入割戻し＋仕入戻り）

損益計算書（P/L）の当期商品仕入高は純仕入高で表示する。

【関連項目】
総売上高と純売上高の違い【損益計算書の売上高はどっちで表示する？】

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