簿記

【簿記】手形の裏書きの仕訳や注記をわかりやすく解説【対照勘定法、評価勘定法】

2021年4月23日

手形の裏書きとは、所有する手形を満期日前に他社に譲渡することをいいます。

裏書手形の図

 

この記事では、手形の裏書きについて解説します。

手形を裏書きしたとき

手形を裏書きしたときは、「受取手形」勘定を減少させます。

保証債務に時価がある場合は「保証債務費用」「保証債務」という勘定を用いて仕訳します。
保証債務に時価がない場合は「保証債務費用」「保証債務」に関する仕訳は不要です。

簿記検定では問題文に保証債務の指示がない場合、保証債務に関する仕訳は不要です。

 

保証債務に時価がある場合

<設例>
当社はA社に対する買掛金を支払うために、B社振出しの約束手形1,000円を裏書譲渡した。
なお、保証債務の時価は額面の1%である。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 1,000 受取手形 1,000
保証債務費用 10 保証債務 10

 

保証債務に時価がない場合

<設例>
当社はA社に対する買掛金を支払うために、B社振出しの約束手形1,000円を裏書譲渡した。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 1,000 受取手形 1,000

 

貸借対照表に関する注記の文例

受取手形の裏書譲渡高 1,000円

 

手形が無事に決済されたとき

裏書譲渡した手形が無事に決済されたときは、「保証債務」勘定を減少させて、「保証債務費用」勘定として計上していた分を「保証債務取崩益」勘定を使用して処理します。

<設例>
裏書譲渡した手形1,000円が無事に決済された。
なお、裏書譲渡をしたときに保証債務10円を計上している。

借方 金額 貸方 金額
保証債務 10 保証債務取崩益 10

 

対照勘定法

手形を裏書きしたとき

「受取手形」勘定を減額し、偶発債務の発生を記録するために「裏書手形義務見返」「裏書義務」という対照勘定を用いて備忘記録をします。

偶発債務とは、現時点では債務ではないが、将来においての特定の条件が満たされた場合に債務となるものです。

<設例>
当社はA社に対する買掛金を支払うために、B社振出しの約束手形1,000円を裏書譲渡した。
なお、保証債務の時価は額面の1%である。
対照勘定法により仕訳を示しなさい。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 1,000 受取手形 1,000
裏書義務見返 ※1 1,000 裏書義務 ※2 1,000
保証債務費用 10 保証債務 10

※1 「手形裏書義務見返」勘定で処理することもあります。
※2 「手形裏書義務」勘定で処理することもあります。

 

手形が無事に決済されたとき

偶発債務が消滅するので、裏書譲渡時の逆仕訳を行って対照勘定を取り消します。

<設例>
裏書譲渡した手形1,000円が無事に決済された。
なお、裏書譲渡をしたときに保証債務10円を計上し、対照勘定法により仕訳を行っている。

借方 金額 貸方 金額
裏書義務 1,000 裏書義務見返 1,000
保証債務 10 保証債務取崩益 10

 

評価勘定法

手形を裏書きしたとき

「受取手形」勘定を減額せず、偶発債務の発生を記録するために「裏書手形」勘定という評価勘定を用いて備忘記録をします。

「裏書手形」勘定は、資産のマイナスを意味する勘定です。

<設例>
当社はA社に対する買掛金を支払うために、B社振出しの約束手形1,000円を裏書譲渡した。
なお、保証債務の時価は額面の1%である。
評価勘定法により仕訳を示しなさい。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 1,000 裏書手形 1,000
保証債務費用 10 保証債務 10

 

手形が無事に決済されたとき

偶発債務が消滅するので、裏書譲渡時の「裏書手形」勘定を減額するとともに、「受取手形」勘定が減額します。

<設例>
裏書譲渡した手形1,000円が無事に決済された。
なお、裏書譲渡をしたときに保証債務10円を計上し、評価勘定法により仕訳を行っている。

借方 金額 貸方 金額
裏書手形 1,000 受取手形 1,000
保証債務 10 保証債務取崩益 10

 

具体例

設例1

次の取引の仕訳と貸借対照表に関する注記を示しなさい。

当社はA社から商品を仕入れ、B社振出しの約束手形1,000円を裏書譲渡した。

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
仕入 1,000 受取手形 1,000

<貸借対照表に関する注記>
受取手形の裏書譲渡高 1,000円

 

まとめ

  • 手形の裏書譲渡は「受取手形」勘定を減少させる。
  • 保証債務に時価がある場合は「保証債務費用」「保証債務」の仕訳をする。
  • 貸借対照表に関する注記は「受取手形の裏書譲渡高 ○○○円」と記載する。
  • 対照勘定法は「受取手形」勘定を減少させて、「裏書手形義務見返」「裏書義務」という対照勘定を使用する。
  • 評価勘定法は「受取手形」勘定を減少させず、「裏書手形」勘定という評価勘定を使用する。

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