簿記

【簿記】先物取引の仕訳をわかりやすく解説【売建・買建のケース】

2022年3月2日

この記事では、先物取引の仕訳・会計処理について解説します。

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先物取引とは

先物取引とは、デリバティブ取引の一種で、将来の決められた期日に、現時点で約束した価格(先物価格)で商品を売買できる取引のことをいいます。

 

先物取引の流れ

step
契約時

取引の保証金として証券会社等に委託証拠金を支払う。支払った委託証拠金を、先物取引差入証拠金勘定に計上する。

 

step
決算時

相場の変動による正味の債権・債務を先物取引差金として時価評価し、評価差額を先物損益に計上する。

 

step
翌期首

評価差額の振戻処理を行う。

 

step
決済時

反対売買により決済し、差額部分のみの受払いが行われるとともに、委託証拠金の返還が行われる。

 

貸借対照表の表示区分

勘定科目(表示科目) 表示区分
先物取引差入証拠金 流動資産
先物取引差金(債券先物) 流動資産

 

損益計算書の表示区分

勘定科目(表示科目) 表示区分
先物利益 ※ 営業外収益
先物損失 ※ 営業外損失

※ 仕訳では、先物損益勘定で処理します。

 

仕訳パターン(売建のケース)

契約時

x1年9月1日、国債100,000円(1,000口)を額面100円につき95円で売り建てる契約を結び、委託証拠金として現金4,000円を支払った。

借方 金額 貸方 金額
先物取引差入証拠金 4,000 現金 4,000

先物取引から生じる権利と義務は、契約時点では等価であるため、正味の債権・債務の時価は純額でゼロになります。
そのため、契約時にはデリバティブの処理は不要です。

 

決算日

x2年3月31日(決算日)、国債先物の時価は額面100円につき96円であった。

借方 金額 貸方 金額
先物損益 1,000 ※1 先物取引差金 1,000

(決算時先物@96円-契約時先物@95円)×1,000口=1,000円

先物取引差金勘定は「債券先物」という勘定科目を使用することもあります。

先物損益は営業外損益となります。このケースでは借方残高なので、損益計算書の営業外費用に「先物損失」として計上します。

 

翌期首

X2年4月1日、評価差額の振戻処理を行った。

借方 金額 貸方 金額
先物取引差金 1,000 先物損益 1,000

 

決済時

X2年6月30日、債券先物の時価が98円となったため、反対売買による差金決済を行い、決済金と委託証拠金を現金で受け取った。

借方 金額 貸方 金額
先物損益 3,000 ※1 現金 3,000
現金 4,000 先物取引差入証拠金 4,000

※1 (決済時先物@98円-契約時先物@95円)×1,000口=3,000円

 

例題(買建のケース)

次の各取引について、①契約時、②決算日(当期末)、③翌期首、④決済時の仕訳を示しなさい。

① A法人はx1年9月1日に、国債100,000円(1,000口)を額面100円につき95円で買い建てる契約を結び、委託証拠金として現金4,000円を支払った。

② x2年3月31日(決算日)、国債先物の時価は額面100円につき96円であった。

③ X2年4月1日、評価差額の振戻処理を行った。

④ X2年6月30日、債券先物の時価が98円となったため、反対売買による差金決済を行い、決済金と委託証拠金を現金で受け取った。

 

【解答・解説】

① 契約時

借方 金額 貸方 金額
先物取引差入証拠金 4,000 現金 4,000

 

② 決算日(当期末)

借方 金額 貸方 金額
先物取引差金 1,000 ※1 先物損益 1,000

(決算時先物@96円-契約時先物@95円)×1,000口=1,000円

 

③ 翌期首

借方 金額 貸方 金額
先物損益 1,000 先物取引差金 1,000

 

④ 決済時

借方 金額 貸方 金額
現金 3,000 ※1 先物損益 3,000
現金 4,000 先物取引差入証拠金 4,000

※1 (決済時先物@98円-契約時先物@95円)×1,000口=3,000円

 

まとめ

  • 契約時:支払った委託証拠金を「先物取引差入証拠金」勘定に計上する。
  • 決算時:相場の変動による正味の債権・債務を「先物取引差金」として時価評価し、評価差額を「先物損益」に計上する。
  • 翌期首:評価差額の振戻処理を行う。
  • 決済時:反対売買により決済し、差額部分のみの受払いが行われる。委託証拠金(先物取引差入証拠金)の返還が行われる。

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