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消費税等を考慮する場合の商品券等に関する仕訳、会計処理

2021年11月19日

企業が商品券等を発行し、顧客から代金を受け取った場合には、その受け取った金額で「契約負債」を認識します。
その後、商品などと引き換えに顧客から商品券等を受け取った場合には、当該契約債務の消滅を認識し、収益を認識します。

この記事では、消費税等を考慮する場合の商品券等に関する仕訳、会計処理について解説します。



会計上の取扱い

商品券発行時

x3年6月15日、当社は、当社でのみ使用可能な商品券100,000円分を顧客に販売し、現金を受け取った。過去の経験から、商品券のうち10%が非行使部分になると見積もり、この非行使部分について当社は将来において権利を得ると見込んだ。なお、消費税率は10%である。

当社

借方 金額 貸方 金額
現金 100,000 契約負債 100,000

 

顧客

借方 金額 貸方 金額
商品券 100,000 現金 100,000

商品券等の発行や売買に、消費税は課されません。

 

商品券行使時

x3年7月8日、商品券29,700円分が商品(原価20,000円)と引き換えられ、消費税を含めて行使された。なお、消費税率は10%である。

当社

借方 金額 貸方 金額
契約負債 33,000 ※5 売上 27,000 ※1
仮受消費税等 2,700 ※2
雑収入(注) 3,300 ※6

※1 29,700円÷1.1=27,000円
※2 29,700円×0.1÷1.1=2,700円
※3 非行使部分 100,000円×10%=10,000円
※4 行使割合 行使分29,700円/(発行分100,000円-非行使部分10,000円)=33%
※5 契約負債 発行分100,000円×行使割合33%=33,000円
※6 雑収入 非行使部分10,000円×行使割合33%=3,300円

(注)売上勘定で処理することもあります。

 

顧客

借方 金額 貸方 金額
仕入 27,000 ※1 商品券 29,700
仮払消費税等 2,700 ※2

※1 29,700円÷1.1=27,000円
※2 29,700円×0.1÷1.1=2,700円

 

法人税法上の取扱い

商品券発行時

x3年6月15日、当社は、当社でのみ使用可能な商品券100,000円分を顧客に販売し、現金を受け取った。過去の経験から、商品券のうち10%が非行使部分になると見積もり、この非行使部分について当社は将来において権利を得ると見込んだ。なお、消費税率は10%である。

当社

借方 金額 貸方 金額
現金 100,000 契約負債(注) 100,000

(注)契約負債で処理するのが原則ですが、雑収入で処理することも認められます。

 

顧客

借方 金額 貸方 金額
商品券 100,000 現金 100,000

商品券等の発行や売買に、消費税は課されません。

 

商品券行使時

x3年7月8日、商品券29,700円分が商品(原価20,000円)と引き換えられ、消費税を含めて行使された。なお、消費税率は10%である。

当社

借方 金額 貸方 金額
売上原価 20,000 商品 20,000

 

顧客

借方 金額 貸方 金額
仕入 27,000 商品券 29,700
仮払消費税等 2,700

 

消費税法上の取扱い

商品券発行時

x3年6月15日、当社は、当社でのみ使用可能な商品券100,000円分を顧客に販売し、現金を受け取った。過去の経験から、商品券のうち10%が非行使部分になると見積もり、この非行使部分について当社は将来において権利を得ると見込んだ。なお、消費税率は10%である。

当社

不課税

 

顧客

不課税

商品券等の発行や売買に、消費税は課されません。

 

商品券行使時

x3年7月8日、商品券29,700円分が商品(原価20,000円)と引き換えられ、消費税を含めて行使された。なお、消費税率は10%である。

当社

課税売上げの対価 29,700円×100/110=27,000円
課税売上げに係る消費税額 27,000円×10%=2,700円

 

顧客

課税仕入れの対価 29,700円×100/110=27,000円
課税仕入れに係る消費税額 27,000円×10%=2,700円

具体例

次の一連の取引につき、当社の各時点の仕訳を示しなさい。なお、消費税率は10%である。

(1)x4年8月10日、当社は、当社でのみ使用可能なギフトカード50,000円分を顧客に販売し、現金を受け取った。過去の経験から、ギフトカードのうち5%が非行使部分になると見積もり、この非行使部分について当社は将来において権利を得ると見込んだ。

(2)x4年12月8日、ギフトカード31,350円分が商品(原価25,000円)と引き換えられ、消費税を含めて行使された。

 

【解答・解説】

(1)ギフトカード発行時

借方 金額 貸方 金額
現金 50,000 契約負債 50,000

 

(2)ギフトカード行使時

借方 金額 貸方 金額
契約負債 33,000 ※5 売上 28,500 ※1
仮受消費税等 2,850 ※2
雑収入(注) 1,650 ※6

※1 31,350円÷1.1=28,500円
※2 31,350円×0.1÷1.1=2,850円
※3 非行使部分 50,000円×5%=2,500円
※4 行使割合 行使分31,350円/(発行分50,000円-非行使部分2,500円)=66%
※5 契約負債 発行分50,000円×行使割合66%=33,000円
※6 雑収入 非行使部分2,500円×行使割合66%=1,650円

(注)売上勘定で処理することもあります。

 

まとめ

  • 商品券等を発行し、顧客から支払いを受けた場合には、支払いを受けた金額で「契約負債」を認識する。
  • 商品券等の発行や売買については、消費税が課されない。

基本【収益認識基準】商品券等の仕訳、会計処理について解説【契約負債】

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