簿記

【収益認識基準】商品券等の仕訳、会計処理について解説【契約負債】

2021年11月18日

商品券等を販売した場合は、将来において財又はサービスを提供する義務が残るため、支払いを受けた金額で契約負債を認識し、財又はサービスを移転したときに契約負債の消滅を認識して収益を計上します。

この記事では、収益認識基準における商品券等の仕訳、会計処理について解説します。



商品券等に係る会計処理

企業が商品券等(商品券、旅行券、ギフトカードなど)を発行し、顧客から支払いを受けた場合には、支払いを受けた金額で「契約負債」を認識します。
その後、商品などと引き換えに商品券等を顧客から受け取った場合には、当該契約負債の消滅を認識し、収益を認識します。
商品券等は、顧客が権利を行使しないと見込まれる部分(非行使部分)が生じることがあります。
商品券等の会計処理は、「非行使部分の権利を得ると見込む場合」と「非行使部分の権利を得ると見込まない場合」があります。

 

非行使部分の権利を得ると見込む場合

商品券等のうち非行使部分について、将来企業が権利を得ると見込む場合には、当該非行使部分について、顧客による権利行使のパターンと比例的に収益を認識します。

例題
(1)x1年5月10日、当社は、当社でのみ使用可能な商品券10,000円分を発行し、現金を受け取った。過去の経験から、商品券のうち10%が非行使部分になると見積もり、この非行使部分について当社は将来において権利を得ると見込んだ。

 

借方 金額 貸方 金額
現金 10,000 契約負債 10,000

 

(2)x1年10月5日、商品券4,500円分が使用され商品と引き換えられた。

借方 金額 貸方 金額
契約負債 5,000 ※3 売上 4,500
雑収入(注) 500 ※4

※1 非行使部分 10,000円×10%=1,000円
※2 行使割合 行使分4,500円/(発行分10,000円-非行使部分1,000円)=50%
※3 契約負債 発行分10,000円×行使割合50%=5,000円
※4 雑収入 非行使部分1,000円×行使割合50%=500円
(注)売上勘定で処理することもあります。

行使割合は、行使見込分(発行分-非行使部分)に対する行使分で算出します。

 

非行使部分の権利を得ると見込まない場合

非行使部分の権利を得ると見込まない場合には、当該非行使部分の金額について、顧客が残りの権利を行使する可能性が極めて低くなった時に収益を認識します。

例題
(1)x1年5月10日、当社は、当社でのみ使用可能な商品券10,000円分を発行し、現金を受け取った。過去の経験から、非行使部分の権利を得ると見込めない。

借方 金額 貸方 金額
現金 10,000 契約負債 10,000

 

(2)x1年10月5日、商品券4,500円分が使用され商品と引き換えられた。

借方 金額 貸方 金額
契約負債 4,500 売上 4,500

非行使部分の金額については、顧客が残りの権利を行使する可能性が極めて低くなっていないため、収益を認識しません。

 

具体例

次の一連の取引につき、当社の各時点の仕訳を示しなさい。

(1)x2年5月23日、当社は、当社でのみ使用可能なギフトカード50,000円分を顧客に販売し、現金を受け取った。過去の経験から、商品券のうち10%が非行使部分になると見積もり、この非行使部分について当社は将来において権利を得ると見込んだ。

(2)x2年7月15日、ギフトカード18,000円分が使用され商品と引き換えられた。

 

【解答・解説】
(1)ギフトカード販売時

借方 金額 貸方 金額
現金 50,000 契約負債 50,000

 

(2)ギフトカード利用時

借方 金額 貸方 金額
契約負債 20,000 ※3 売上 18,000
雑収入(注) 2,000 ※4

※1 非行使部分 50,000円×10%=5,000円
※2 行使割合 行使分18,000円/(販売分50,000円-非行使部分5,000円)=40%
※3 契約負債 販売分50,000円×行使割合40%=20,000円
※4 雑収入 非行使部分5,000円×行使割合40%=2,000円
(注)売上勘定で処理することもあります。

 

まとめ

  • 商品券等を発行し、顧客から支払いを受けた場合には、支払いを受けた金額で「契約負債」を認識する。
  • 商品券等の発行後の会計処理は、「非行使部分の権利を得ると見込む場合」と「非行使部分の権利を得ると見込まない場合」がある。
  • 非行使部分の権利を得ると見込む場合は、顧客による権利行使のパターンと比例的に収益を認識する。
  • 非行使部分の権利を得ると見込まない場合は、当該非行使部分の金額について、顧客が残りの権利を行使する可能性が極めて低くなった時に収益を認識する。

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