売上と売上高の違い

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売上と売上高の違いをわかりやすく解説

2020年7月4日

「売上」と「売上高」は同じ意味として使われることがありますが厳密には違います。
損益計算書に記載するのは「売上高」です。

売上と売上高は混同しやすい論点なので注意してください。


売上

売上とは、商品や製品などを販売したりサービスを提供したときに発生する収益です。
会社本来の営業活動によって発生したものが「売上」になります。

したがって、受取利息や有価証券利息は売上に該当しません。

 

売上高

売上高とは、一定期間(例:一年間、会計年度)の売上の合計額から売上値引・売上割戻・売上返品を控除した金額のことをいいます。
つまり、純粋な売上を合計した金額が「売上高」です。

 

売上高の「高」には、「合計」という意味があるんだね。

 

売上と売上高の違い

売上と売上高の違いは、個々の取引か一定期間の合計額かです。

「売上」は取引が発生するたびに仕訳される勘定科目です。
「売上高」は一定期間の売上を合計した金額です。

 

損益計算書の表示区分

売上高は損益計算書の一番上に記載します。

P/L:jyunuriagedaka

 

損益計算書に記載する売上高は、純売上高です。

純売上高とは、総売上高から売上値引き・売上割戻し・売上戻り(返品)といった売上高控除項目を減少させた後の金額です。

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  • 売上値引とは、商品の破損や品質不良などの理由により売上代金から控除される金額をいいます。
  • 売上割戻とは、一定期間に多額または多量の取引をした得意先に対して、売上代金の一部を減額することをいいます。商品をたくさん買ってくれたお礼に安くしてあげたというイメージです。売上割戻しはリベートと呼ばれることもあります。
  • 売上戻りとは、商品の品違いなどの理由によって購入者から販売者に商品を返すことをいいます。「売上戻り」と「売上返品」は同じ意味です。

 

具体例

設例1

次の仕訳に基づいて、損益計算書に記載すべき売上高を答えなさい。

①A社はB社に商品を10,000円を現金で販売した。

借方 金額 貸方 金額
現金 10,000 売上 10,000

 

②売り上げた商品について300円の値引きをした。

借方 金額 貸方 金額
売上 300 現金 300

 

③600円の売上割戻しを行った。

借方 金額 貸方 金額
売上 600 現金 600

 

④B社から売り上げた商品のうち1,000円の返品を受けた。

借方 金額 貸方 金額
売上 1,000 現金 1,000

 

【解答・解説】
売上高:8,100円

売上高は10,000円-300円(売上値引)-600円(売上割戻)-1,000円(売上戻り)=8,100円です。

 

設例2

次の仕訳に基づいて、損益計算書に記載すべき売上高を答えなさい。

①A社はB社に商品を50,000円(単価5,000円×10個)で掛販売した。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 50,000 売上 50,000

 

②売り上げた商品のうち3,000円の返品を受けた。

借方 金額 貸方 金額
売上 3,000 売掛金 3,000

 

③売り上げた商品について1,000円の値引きをした。

借方 金額 貸方 金額
売上 1,000 売掛金 1,000

 

④500円の売上割戻しを行った。

借方 金額 貸方 金額
売上 500 売掛金 500

 

⑤B社が期限よりも早く支払いをしたため、700円の売上割引を行った。

借方 金額 貸方 金額
売上割引 700 売掛金 700

 

【解答・解説】
売上高:45,500円

売上高は50,000円-3,000円(売上戻り)-1,000円(売上値引)-500円(売上割戻)=45,500円です。

売上割引は営業外費用です。
上記の⑤の仕訳を見てもわかる通り、売上を減額しません。

売上割引とは、売掛金の代金が支払期限前に支払われた場合に、その早く代金を支払った期間分の利息相当の金額を営業外費用として処理します。

 

まとめ

  • 「売上」は取引が発生するたびに仕訳される勘定科目。
  • 「売上高」は一定期間の売上を合計した金額。
  • 売上と売上高の違いは、「個々の取引の金額」か「一定期間の金額の合計額」かどうか。

財務省や国税庁などの公文書では「売上と売上高」は明確に区別して使い分けられていますが、民間が発行する書類などでは混同して使われている場合があります。

日常生活では、売上と売上高は同じ意味と考えて問題ありません。

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