経過勘定

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経過勘定の仕訳【語呂合わせで覚える方法】

2020年2月10日

経過勘定は簿記検定の頻出論点で得点を稼ぎやすい問題ですが、苦手にしている受験生が多いです。
簿記の勉強を初めて勉強した人の多くは、経過勘定の仕訳が難しいと感じてしまい挫折してしまいます。
今回は経過勘定の仕訳を理解するためのポイントを説明します。


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経過勘定とは

経過勘定とは、「現金の収支の時期」と「損益計算上の損益認識の時期」がズレたときに修正するための勘定科目で、継続して役務の提供を受ける場合や役務の提供を行う場合に、時間の経過によって収益または費用になるものに限られます。

具体的には、「来期分の費用を当期に支払った場合」や「当期分の費用をまだ支払っていない場合」に経過勘定を使います。

経過勘定は「家賃」「利息」「保険料」などの処理でよく出ますので、これらの項目が出たときは注意が必要です。

 

前払費用

前払費用とは、一定の契約に従い継続して役務の提供を受ける場合、まだ提供されていない役務に対して支払われた対価のことをいいます。貸借対照表(B/S)の流動資産に計上されます。
経過勘定項目のうち、前払費用についてのみ一年基準(ワンイヤールール)が適用され、「長期前払費用(固定資産)」に計上する場合があるので注意が必要です。

 

前受収益

前受収益とは、一定の契約に従い継続して役務を提供を行う場合、まだ提供していない役務に対して支払いを受けた対価のことをいいます。貸借対照表の流動負債に計上されます。

 

未払費用

未払費用とは、一定の契約に従い継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供を受けた役務に対して、いまだ対価の支払いが完了していないものをいいます。貸借対照表の流動負債に計上されます。

 

未収収益

未収収益とは、一定の契約に従い継続して役務の提供を行う場合、すでに提供した役務に対して、いまだ対価の支払いを受け取っていないものをいいます。貸借対照表の流動資産に計上されます。

 

語呂合わせ「くまのみみ(熊の耳)」

クマの耳

簿記では、経過勘定について「繰延べ」や「見越し」と表現することがあります。
試験で「期末に10,000円の営業費を繰延べて、5,000円の営業費を見越した。(解答・解説は下記の設例にあります。)」という問題文を読んだときに、「営業費の繰延べって前払費用だっけ?未払費用だっけ?」「営業費を見越したってどういう意味だっけ?」とならないように、語呂合わせで覚える方法を説明します。

繰延べ:前払費用、前受収益
見越し:未収収益、未払費用
頭の文字を取って「くまのみみ」と覚えます。

延べの「く」と払費用・受収益の「ま」のセットで「くま」
越しの「み」と収収益・払費用の「み」のセットで「みみ」

合わせて「くまのみみ」です。

【設例】
期末に10,000円の営業費を繰延べて、5,000円の営業費を見越した。

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
前払営業費(前払費用) 10,000 営業費 10,000
営業費 5,000 未払営業費(未払費用) 5,000

「営業費を繰延べて」とあるので、「くまのみみ」の「くま」の部分が該当します。
したがって、「前」がつく「費用」の勘定科目は「前払費用」になります。

「営業費を見越した見越した。」とあるので、「くまのみみ」の「みみ」の部分が該当します。
したがって、「未」がつく「費用」の勘定科目は「未払費用」になります。

見越しは「み」がつくから「未払費用」と覚えても大丈夫です。

簿記では具体的な勘定科目である「前払営業費」で答える場合が多いですが、試験では問題文で与えられた勘定を使用する必要があります。

「前払営業費」勘定と「前払費用」勘定のどちらで答えるのか注意が必要です。
「未払営業費」と「未払費用」についても同様です。

 

再振替仕訳

前期末に使用した経過勘定項目(前払費用、前受収益、未収収益、未払費用)については、翌期首に前期末の決算整理仕訳の反対の仕訳を行い、費用・収益の勘定へ振り替えます。

【設例】
下記に基づき、翌期首の再振替仕訳を示しなさい。前期末に10,000円の営業費を繰延べて、5,000円の営業費を見越した。

【解答・解説】
再振替仕訳

借方 金額 貸方 金額
営業費 10,000 前払営業費 10,000
未払営業費 5,000 営業費 5,000

前期末の決算整理仕訳の反対の仕訳を行い、費用・収益の勘定へ振り替えます。

 

【参考】前期末の決算整理仕訳

借方 金額 貸方 金額
前払営業費 10,000 営業費 10,000
営業費 5,000 未払営業費 5,000

 

具体例

具体例
次の各時点における仕訳を示しなさい。なお、当期は20x1年1月1日から12月31日である。

①10月1日に向こう1年分の保険料36,000円を現金で支払った。
②12月31日、来期分の保険料27,000円を繰延べる決算整理仕訳を仕訳を行った。
③1月1日、再振替仕訳を行った。

【解答・解説】
①10月1日の仕訳

借方 金額 貸方 金額
保険料 36,000 現金 36,000

 

②決算整理仕訳

借方 金額 貸方 金額
前払保険料 27,000 保険料 27,000

 

③再振替仕訳

借方 金額 貸方 金額
保険料 27,000 前払保険料 27,000

36,000円÷12ヶ月=3,000円
したがって、1ヶ月分の保険料は3,000円になります。

当期は1月1日から12月31日なので、10月1日に支払った保険料のうち3ヶ月分(20x1年10月1日から12月31日)は当期分の費用ですが、9ヶ月分(20x2年1月1日から8月31日)は来期分の費用になるので決算整理で繰延べ処理をします。

翌期の9ヶ月分の保険料を当期の10月1日に支払ったことをイメージするとわかりやすいです。

わかりやすく図で説明すると次のようになります。

自分で線表を書けるようにマスターしてください。

 

まとめ:経過勘定の覚え方

経過勘定は「一定の契約に従い継続して行う役務の提供」がポイント。

迷ったときは「くまのみみ」を思い出して、「繰延べ」と「見越し」を判断する。

繰延べ:前払費用、前受収益
見越し:未収収益、未払費用

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