日商簿記2級は、年間20万人程度が受験しています。日商簿記2級を取得していると事務職や経理職の仕事に転職する時に有利なため人気資格となっています。
そのため、学生や主婦だけでなく転職を考えている社会人など毎年多くの人が受験します。
経理職の未経験者採用の場合は日商簿記2級が募集要件になっていることが多いです。
日商簿記2級は2024年度に出題範囲が改定されました。
さらに、簿記2級の試験は難易度は上がってしまい、勉強方法について悩んでいる受験生もいると思います。
目次
日商簿記2級検定の概要
試験科目 | 試験時間 | 合格基準 |
商業簿記 工業簿記 (原価計算を含む) 5題以内 |
120分 | 70%以上 |
「商業簿記」は、購買活動や販売活動など、企業外部との取引を記録・計算 する技能で、企業を取り巻く関係者(経営管理者・取引先・出資者等)に対し、適切、かつ正確な報告(決算書作成)を行うためのものです。
「工業簿記」は、企業内部での部門別や製品別の材料・燃料・人力などの資源の投入を記録・計算する技能で、経営管理に必須の知識です。
毎年度4月1日現在施行されている法令等に準拠して出題します。
出典:日本商工会議所
試験は年3回実施。
6月の第2日曜日 |
11月の第3日曜日 |
2月の第4日曜日 |
出題型式 | 全問記述式 |
合格率 | 約25%。ただし、簡単な回と難しい回があり、合格率も約11%~約45%と幅があります。 |
出題と傾向の分析
第1問 | 仕訳の問題が出題される。 |
第2問 | 商品売買、固定資産、有価証券などの個別論点が頻出。 |
第3問 | 財務諸表作成や精算表作成が頻出。 |
第4問 | 費目別計算、部門別計算、個別原価計算、本社工場会計などが出題され、簡単な回と難しい回との差が激しい。 |
第5問 | 総合原価計算、標準原価計算、直接原価計算などが出題される。 |
試験範囲が改定されてから簿記2級は合格率が減少して、近年の簿記2級の合格率は25%くらいになります。
試験の問題が簡単な回に当たると合格率が上がることもありますが、改定前の時代と比べると難易度は高くなったというのが率直な感想です。
改定前の過去問と改定後の試験問題を比べてみても難化したのは明らかです。
最近の傾向では、ほぼ毎回のように「初出題の論点」も出題されており、過去問中心では対策が難しくなっています。合格するためには最新の情報を入手して勉強することとヤマを張らずに問題集のAランクとBランクの問題を解けるようにすることが大切です。
合格するために必要な学習期間
合格するために必要な学習期間は、勉強に専念できる人と仕事をしながら勉強をする人で変わります。
勉強に専念できる人の場合、2ヵ月くらいで合格することも十分可能です。
仕事をしながら勉強をする人の場合、4ヶ月くらいの学習期間が必要になります。
必要な学習時間で考えると、約200~400時間が目安になります。
合格するために必要な時間は、基礎学力や勉強環境によって異なるので、余裕を持って試験の半年前から勉強を始めることをおすすめします。
独学でも合格できます
簿記2級が難化したことによって資格スクールに通わないと合格できないと言う人もいますが、独学でも合格することは可能です。
確かに、資格スクールに通うことのメリットは大きいです。
たとえば、分からない論点について講師に直接質問することができたり、スクールに通うことによって自宅で勉強するよりも集中することができるなどのメリットがあります。
しかし、書店で売られている簿記2級のテキストはスクールに通わなくても大丈夫なくらいに丁寧に作られています。
試験に合格するうえで大切なことは、簡単な問題を絶対に正解すること。
難しい問題については部分点狙いをして深追いしないことです。
簡単な問題と難しい問題を見分けるためには、過去問題集を解くことをオススメします。
独学で合格できなかった場合
前回の試験で不合格だった方は勉強方法を変える必要があります。
日商簿記2級は独学でも合格可能ですが、どうしても合格できないという人は資格スクールを利用した方が合格の近道です。
- 生涯学習のユーキャン:提出した答案に対して、解答・解説を添えて返してくれる添削指導があるので自分の弱点をカバーできる。わからない点は質問できるので独学よりも効率的。
- ネットスクール:オンライン授業中にチャットで講師に質問ができる。講師の説明を聞きながらボックス図の作成方法や勘定連絡図の一連の流れを学べるので工業簿記が苦手な人にオススメ。
関連【体験談】ネットスクールの日商簿記1級講座ってどうなの?【予備校の比較・評判】
効率的な学習方法
日商簿記2級では、商業簿記の難易度が上がり、そのうえ工業簿記の勉強もしなければなりません。
初めて覚えることがたくさんあり、今やっている勉強のやり方が正しいのか不安になる人もいると思います。
2級は昔と比べて難化しましたが、70点を取れば合格というのは変わっていません。
受験生の多くが解けないような難問が出た場合は部分点を狙い、それ以外の簡単な問題などを確実に正解できれば受験者の上位15%に入ることができます。
上位15%に入ることができれば高確率で合格することができます。
出題パターンは大体決まっていますが、初出題の論点も出題されているので過去問中心ではなく、問題集のAランクとBランクをマスターすることが必須です。
短期攻略(約1ヵ月)を目指すのであれば、一日5時間以上の勉強を確保する必要があります。
短期攻略での勉強方法は、まずテキストを1回転します。そして、過去問題集とTACのあてるを解きます。
商業簿記はあてるTAC予想模試 日商簿記2級を中心に勉強します。
工業簿記は過去問題集を中心に勉強します。
なぜなら、商業簿記は初出題の論点が頻繫に出題されていますが、工業簿記は過去問の焼き直しが多いからです。
過去問題集は解答・解説が充実している合格するための本試験問題集 日商簿記 2級 (よくわかる簿記シリーズ) がオススメです。
おすすめの参考書
工業簿記の図解がわかりやすいテキストがおすすめです。
日商簿記2級で初めて工業簿記の学習をすることになりますが、多くの受験生が工業簿記で挫折してしまいます。
ネットスクールのサクッとうかる日商2級はフルカラーで見やすくなっており、説明文も丁寧なのでオススメです。
特に工業簿記の図解がシンプルでわかりやすいところが良いです。
参考書はネットスクールのサイトで直接買った方が割引価格で購入できるのでお得です。
ネット試験の対策
ネット試験の特徴はパソコンで試験を行うことです。
日本商工会議所は、ネット試験もペーパー試験も「出題範囲、難易度は変わらない」と公表しています。
したがって、ネット試験の対策で一番重要なことは、自宅のパソコンで模擬試験をやっておくことです。
合格するための本試験問題集 日商簿記 2級には、本番とまったく同じ環境でネット試験の演習ができる「模擬試験プログラム」がついているので、ネット試験対策に役立ちます。
試験でパニックにならないためにも、事前にパソコンの操作に慣れておくと安心です。
まとめ
近年の商業簿記は初出題の論点が頻繫に出題されているので、過去問よりも問題集のAランクとBランクを完璧に解けるようにしておく。
「TACのあてる」のヤマとなっている問題も解けるようにしておく。
工業簿記は過去問題集を中心に勉強する。