【利子込み法】ファイナンス・リース取引の仕訳

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【利子込み法】ファイナンス・リース取引の仕訳

2020年6月15日

ファイナンス・リース取引の仕訳には、利子込み法と利子抜き法があります。

利子込み法と利子抜き法の違いは、支払利息をリース債務に含めるかどうかです。
利子込み法は支払利息をリース債務に含めますが、利子抜き法はリース債務に含めません。

利子込み法は利子抜き法よりも簡単な方法です。
今回は利子込み法について説明します。

利子込み法の基本仕訳

リース取引開始時

借方 金額 貸方 金額
リース資産 xxx *1 リース債務 xxx

*1 支払リース料の総額

 

リース料支払い時

借方 金額 貸方 金額
リース債務 xxx *1 現金預金 xxx

*1 支払ったリース料

 

決算時

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 xxx *1 減価償却累計額 xxx

*1 通常の有形固定資産の減価償却と同じ方法。
所有権移転外ファイナンス・リースの場合は、リース資産の取得原価÷リース期間

 

具体例

設例1

A株式会社は、x0年4月1日に下記の条件で車両のリース契約を締結した。

この契約は所有権移転外ファイナンス・リース取引に該当する。
①リース取引開始時、②リース料支払い時、③決算時の各時点における仕訳を示しなさい。

(資料1)
解約不能のリース期間:5年
リース料:年額500,000円(毎年3月31日の後払い)
借手の見積現金購入価額:2,200,000円(貸手の購入価額は明らかではない)

リース物件の経済的耐用年数:6年
残存価額:ゼロ
減価償却方法:定額法(間接法)
(会計期間:4月1日~3月31日)

 

【解答・解説】
①リース取引開始時

借方 金額 貸方 金額
リース資産 2,500,000 *1 リース債務 2,500,000

*1 500,000円×5年=2,500,000円

 

②リース料支払い時

借方 金額 貸方 金額
リース債務 500,000  *1 現金預金 500,000

*1 支払ったリース料の全額がリース債務に対応します。

 

③決算時

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 500,000 *1 減価償却累計額 500,000

*1 2,500,000円÷5年=500,000円

 

設例2

当社は、x5年4月1日に下記の条件で機械のリース契約を締結した。
この契約は所有権移転外ファイナンス・リース取引に該当する。
①リース取引開始時、②リース料支払い時、③決算時の各時点における仕訳を示しなさい。

(資料1)
リース料:月額100,000円(毎年3月31日の後払い)
借手の見積現金購入価額:3,000,000円(貸手の購入価額は明らかではない)

解約不能のリース期間:3年
リース物件の経済的耐用年数:4年
残存価額:ゼロ
減価償却方法:定額法(間接法)
借手の追加利子率:3%
(会計期間:4月1日~3月31日)

 

【解答・解説】
①リース取引開始時

借方 金額 貸方 金額
リース資産 3,600,000 *1 リース債務 3,600,000

*1 100,000円×12ヵ月×3年=3,600,000円

 

②リース料支払い時

借方 金額 貸方 金額
リース債務 1,200,000  *1 現金預金 1,200,000

*1 資料に借手の追加利子率が与えられていますが、利子込み法では使用しません。支払ったリース料の全額がリース債務に対応するので注意してください。

 

③決算時

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 1,200,000 *1 減価償却累計額 1,200,000

*1 3,600,000÷3年=1,200,000

 

まとめ

まとめ
利子込み法の場合、リース料の総額をリース資産・リース債務に計上する。
リース料支払い時に支払利息とリース債務を区別せずに処理をする。
減価償却は通常の固定資産を取得した場合と同じ方法で会計処理をする。

利子込み法と利子抜き法の違いは、支払利息をリース債務に含めるかどうか。
利子込み法は支払利息をリース債務に含める。
利子抜き法はリース債務に含めない。

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