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PR 簿記

【簿記】残価保証のあるリース取引の仕訳・会計処理

2021年6月5日

残価保証とは、リース契約(所有権移転外ファイナンス・リース取引)において、リース期間の終了時に、リース物件の処分価額が契約上取り決めた保証価額に満たない場合、借手がその不足額を貸手に支払う義務のことをいいます。

この記事では、残価保証のあるリース取引について解説します。

リース取引の開始時

リース資産の価額は、リース料総額に残価保証額を含めて、現在価値の算定を行って計上します。

借方 金額 貸方 金額
リース資産 xxx リース債務 xxx

年間のリース料×年金現価係数+残価保証額×現価係数=リース料総額の現在価値

 

リース料の支払い時

借方 金額 貸方 金額
支払利息 xxx ※1 当座 xxx
リース債務 xxx ※2

※1 リース債務×利率
※2 リース料-支払利息

 

決算時

残価保証額のない所有権移転外ファイナンス・リース取引は、残存価額をゼロとして償却計算を行いますが、残価保証額がある場合には、残価保証額を残存価額として償却計算を行います。

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 xxx 減価償却累計額 xxx

(取得原価-残価保証)÷リース期間=減価償却費

 

リース期間の終了時

リース物件の処分価額が残価保証額に満たない場合は、その不足額をリース資産売却損として計上します。

借方 金額 貸方 金額
減価償却累計額 xxx リース資産 xxx
リース債務 xxx 未払金 xxx
リース資産売却損 xxx

 

 

具体例

当社は×1年4月1日(期首)に以下の条件で車両のリース契約(所有権移転外ファイナンス・リース取引に該当する)を締結した。

以下の時点における仕訳をそれぞれ示しなさい。なお、円未満の端数が生じた場合は四捨五入する。

(1) ×1年4月1日
(2) ×2年3月31日
(3) ×3年3月31日

  • リース期間2年
  • 借手の見積現金購入価額20,000円 (貸手の購入価額は不明)
  • リース料:年額10,000円(毎年3月31日の後払い)
  • リース物件の経済的耐用年数:3年
  • 借手の追加借入利子率:年5%(貸手の計算利子率は不明)
  • 借手の減価償却方法:定額法
  • リース期間終了時に借手がリース物件の処分価額を500円まで保証する条項(残価保証)が付されている。
  • 年5%で期間2年の現価係数は0.907、年金現価係数は1.859である。

(注) ×3年3月31日にリース物件を返却した。リース物件の処分価額が300円だったため、残価保証との差額200円を未払金に計上した。

 

 

【解答・解説】
(1) ×1年4月1日(リース取引の開始時)

借方 金額 貸方 金額
リース資産 19,044 リース債務 19,044
  • リース料総額の現在価値 10,000×1.859+500×0.907=19,044(四捨五入)
  • 現在価値19,044<見積現金購入価額20,000  ∴19,044

リース料総額に残価保証額500円を含めて現在価値の算定を行うのがポイントです。

 

(2) ×2年3月31日
➀ リース料の支払い時

借方 金額 貸方 金額
支払利息 952 ※1 当座 10,000
リース債務 9,048 ※2

※1 19,044×5%=952(四捨五入)
※2 10,000-952=9,048

 

➁ 決算時(決算整理仕訳)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 9,272 減価償却累計額 9,272

(19,044-残価保証500)÷2年=9,272

残価保証額を残存価額として償却計算を行います。

 

(3) ×3年3月31日
➀ リース料の支払い時

借方 金額 貸方 金額
支払利息 504 当座 10,000
リース債務 9,496

リース料10,000-(19,044- 9,048-残価保証500)=504

最後のリース料の支払いのときに、リース債務の残高が残価保証と同額になるように調整します。リース債務の残高500円=残価保証500円

 

➁ 決算時(決算整理仕訳)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 9,272 減価償却累計額 9,272

(19,044-残価保証500)÷2年=9,272

 

③ リース期間の終了時

借方 金額 貸方 金額
減価償却累計額 18,544 ※1 リース資産 19,044
リース債務 500 ※2 未払金 200 ※3
リース資産売却損 200 ※3

※1 9,272×2年=18,544
※2 19,044-9,048-9,496=500(残価保証額)
※3 残価保証500-処分価額300=200

 

まとめ

  • リース資産の価額は、リース料総額に残価保証額を含めて、現在価値の算定を行う。
  • 残価保証額を残存価額として償却計算を行う。
  • リース物件の処分価額が残価保証額に満たない場合は、その不足額をリース資産売却損として計上する。

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