会計ソフトの仕訳は、「クラウド型」と「パッケージ(インストール)型」で異なります。
この記事では、会計ソフトに関する会社処理ついて解説します。
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目次
会計ソフトの種類
会計ソフトには、クラウド型とパッケージ(インストール)型の2つのタイプがあります。
- クラウド型:インストール不要で月額払い・年額払い。自分にあったプランを選択できる。インターネットが必要。
- パッケージ型:パソコンにインストールするタイプの買い切り。月額不要。
クラウド型の勘定科目
通信費で経費処理をするのが一般的です。消耗品費として処理することも可能ですが、設定した勘定科目は継続して使用しなければなりません。
仕訳例
設例1
会計ソフト(クラウド型)の月額費用2,200円が普通預金口座から引き落とされた。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
通信費 | 2,000 | 普通預金 | 2,200 |
仮払消費税等 | 200 |
設例2
会計ソフト(クラウド型)の年額費用19,800円が普通預金口座から引き落とされた。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
通信費 | 18,000 | 普通預金 | 19,800 |
仮払消費税等 | 1,800 |
パッケージ(インストール)型の勘定科目
購入金額が10万円未満の場合は、消耗品費で経費処理するのが一般的です。
購入金額が10万円以上の場合は、ソフトウェアで無形固定資産に計上するのが一般的です。
パッケージ(インストール)型の場合は、購入金額などによって、一括償却資産や少額減価償却資産(中小企業等の特例)に計上することができる場合があるので、注意が必要です。
仕訳例
10万円未満の場合
・購入時
4月15日に55,000円(税込)のパッケージ(インストール)型の会計ソフトを現金で購入した。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
消耗品費 | 50,000 | 現金 | 55,000 |
仮払消費税等 | 5,000 |
10万円以上20万円未満の場合
・購入時
4月15日に165,000円(税込)のパッケージ(インストール)型の会計ソフトを現金で購入した。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
ソフトウェア | 150,000 | 現金 | 165,000 |
仮払消費税等 | 15,000 |
取得原価が10万円以上の場合は、「無形固定資産」に計上し、決算整理で減価償却を行います。
・決算時
12月31日に、4月15日に購入したソフトウェアの減価償却を行った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
減価償却費 | 22,500 ※1 | ソフトウェア | 22,500 |
※1 150,000円÷60月×9ヶ月=22,500
自社で利用する会計ソフトの耐用年数は5年(60月)です。当期の使用期間は4月から12月なので9ヶ月分を計上します。
一括償却資産
一括償却資産の損金算入の制度では、3年間で均等償却を行うことができます。この制度は、10万円以上20万円未満の資産にのみ利用できます。
・購入時
4月16日に165,000円(税込)のパッケージ(インストール)型の会計ソフトを現金で購入した。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
一括償却資産 | 150,000 | 現金 | 165,000 |
仮払消費税等 | 15,000 |
・決算時
12月31日に、4月16日に購入したソフトウェアの減価償却を行った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
減価償却費 | 50,000 ※1 | ソフトウェア | 50,000 |
※1 150,000÷3年=50,000円
ココがポイント
一括償却資産は、月割計算を行いません。どの時点で購入しても一年分を計上します。
少額減価償却資産(中小企業等の特例)
中小企業の特例に該当する場合は、10万円以上30万円未満の資産を「消耗品費」として経費に計上することができます。
・購入時
4月17日に165,000円(税込)のパッケージ(インストール)型の会計ソフトを現金で購入した。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
消耗品費 | 150,000 | 現金 | 165,000 |
仮払消費税等 | 15,000 |
30万円以上の場合
購入金額が30万円以上の場合は、一括償却資産や少額減価償却資産に計上することができません。
この場合、「ソフトウェア」勘定で無形固定資産に計上し、減価償却が必要になります。
・購入時
4月18日に330,000円(税込)のパッケージ(インストール)型の会計ソフトを現金で購入した。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
ソフトウェア | 300,000 | 現金 | 330,000 |
仮払消費税等 | 30,000 |
・決算時
12月31日に、4月18日に購入したソフトウェアの減価償却を行った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
減価償却費 | 45,000 ※1 | ソフトウェア | 45,000 |
※1 300,000円÷60月×9ヶ月=45,000円
自社で利用する会計ソフトの耐用年数は5年(60月)です。当期の使用期間は4月から12月なので9ヶ月分を計上します。
まとめ
- クラウド型の月額料金は、通信費で経費処理をするのが一般的。
- パッケージ(インストール)型は、購入金額が10万円未満の場合は消耗品費、購入金額が10万円以上の場合はソフトウェアで処理するのが一般的。
- パッケージ(インストール)型の場合は、購入金額などによって、一括償却資産や少額減価償却資産(中小企業等の特例)に計上することができる場合がある。