固定資産には「有形固定資産」と「無形固定資産」の2種類があります。
この記事では、「有形固定資産と無形固定資産の違い」「減価償却資産と非減価償却資産の違い」について解説します。
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目次
有形固定資産と無形固定資産の違い
有形固定資産とは、形のある固定資産のことをいいます。
無形固定資産とは、形のない固定資産のことをいいます。
固定資産は、「有形固定資産」「無形固定資産」「投資その他の資産」に区分されます。
有形固定資産には次のようなものがあります。
- 建物
- 建物附属設備
- 構築物
- 船舶
- 航空機
- 車両運搬具
- 機械装置
- 器具備品
- 工具
無形固定資産には次のようなものがあります。
- 特許権
- 実用新案権
- 意匠権
- 商標権
- ソフトウェア
- 営業権
- 漁業権(入漁権を含む。)
- 樹木採取権
- ダム使用権
- 水利権
- 育成権
減価償却資産と非減価償却資産
有形固定資産・無形固定資産かどうか区別する前に、すべての資産は「減価償却資産」か「非減価償却資産」に分けられます。
減価償却資産とは、時の経過とともに価値が減少する資産のことで、減価償却を行います。
建物や自動車などが該当します。
非減価償却資産とは、時が経過しても価値が減少しない資産のことで、減価償却を行いません。
土地や借地権、電話加入権などが該当します。
土地の場合、時が経過すると時価は変動しますが、土地自体の価値は減少しないので減価償却をする必要はありません。
建設中の建物の注意点
建物は構造物であるため、経年劣化や災害により損壊する可能性があり、減価償却資産として耐用年数に応じた評価をしなければなりません。
ただし、建物でも減価償却資産に該当しないケースがあるので注意が必要です。
建物が建設中であっても、完成した部分が既に使用されている場合、その部分は「減価償却資産」になり、未完成の部分は「非減価償却資産」になります。
美術品などの注意点
美術品や古文書などで取得価額が100万円未満のもの、明らかに価値が下がるものは「減価償却資産」に該当します。
希少価値や歴史的な価値があるものは原則として「非減価償却資産」に該当します。
会計処理
有形固定資産、無形固定資産で減価償却資産に該当するものは、減価償却をして費用に計上する必要があります。
減価償却を行うことによって、価値の減少分が費用化され、適切な資産価値の評価につながります。
非減価償却資産は、時が経過しても価値が減少しない資産であるため、減価償却をする必要はありません。
非減価償却資産を売却や廃棄などしたときは、利益や損失を計上します。
まとめ
減価償却資産 | 非減価償却資産 | ||
有形固定資産 | 無形固定資産 | 時の経過で価値が減少しないもの | 使用していないもの |
建物、車両運搬具、機械装置など | 特許権、実用新案権、ソフトウェアなど | 土地、借地権、電話加入権など | 建設中の建物、稼働休止資産など |
- 有形固定資産と無形固定資産の違いは、形があるかどうか。形のある固定資産が「有形固定資産」、形のない固定資産が「無形固定資産」
- 減価償却資産は、時の経過とともに価値が減少するもの
- 非減価償却資産は、時が経過しても価値が減少しないもの
- 減価償却を行うことによって、価値の減少分が費用化され、適切な資産価値の評価につながる