簿記

【簿記2級】250%定率法と200%定率法の違い、計算方法について解説【保証率、改定償却率】

2022年6月15日

平成19年度税制改正により定率法の償却率は250%になり、平成23年度税制改正により200%になりました。

この記事では、250%定率法と200%定率法の違いについて解説します。

250%定率法とは

250%定率法とは、平成19年4月1日以後に取得したもので、定額法の償却率を2.5倍した償却率が採用される方法のことをいいます。

実務では、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第九 平成19年4月1日から平成24年3月31日までの間に取得をされた減価償却資産の定率法の償却率、改定償却率及び保証率の表」に基づいて償却率などを決定します。

 

200%定率法とは

200%定率法とは、平成24年4月1日以後に取得したもので、定額法の償却率を2倍した償却率が採用される方法のことをいいます。

実務では、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第十 平成24年4月1日以後に取得をされた減価償却資産の定率法の償却率、改定償却率及び保証率の表」に基づいて償却率などを決定します。

 

250%定率法と200%定率法の違い

250%定率法と200%定率法の違いは、「取得した日」と「償却率、改訂償却率、保証率」です。

取得した日が平成19年4月1日から平成24年3月31日だった場合は250%定率法が適用され、取得した日が平成24年4月1日以後だった場合は200%定率法が適用されます。

250%定率法は、定額法の償却率を2.5倍した償却率が採用され、200%定率法は、定額法の償却率を2倍した償却率が採用されるので、計算の際に使用する「償却率、保証率、改訂償却率」が異なります。

 

計算方法

① 期首帳簿価額×償却率=調整前償却額

期首帳簿価額=取得原価-期首減価償却累計額

② 取得原価×保証率=償却保証額

③ ①>②の場合は、①の金額が減価償却費

④ ①<②の場合は、改定取得価額×改定償却率=減価償却費

改定取得価額とは、調整前償却額が初めて償却保証額よりも小さい金額になる年の期首未償却残高(期首帳簿価額)のことをいいます。

改定償却率を使った場合、翌年も同額の減価償却費を計上します。

 

償却率の求め方

簿記検定では、250%定率法・200%定率法の償却率を自分で計算する問題も出題されています。
保証率と改定償却率は問題文に記載されているので、自分で計算する必要はありません。

求め方は下記のとおりです。

250%定率法の償却率=定額法の償却率×2.5
200%定率法の償却率=定額法の償却率×2

 

<例>
耐用年数5年、定額法の償却率0.2の場合の①250%定率法の償却率、②200%定率法の償却率を求めなさい。

 

【解答・解説】
① 250%定率法
0.2×2.5=0.5

定額法の償却率が与えられていない場合は、下記の方法で計算します。
1÷5年×2.5=0.5

 

② 200%定率法
0.2×2=0.4

定額法の償却率が与えられていない場合は、下記の方法で計算します。
1÷5年×2=0.4

人気ひろゆき氏「無職、職歴なしでも簿記の資格を持っているだけで就職できる」について、日商簿記1級取得者の感想

例題

250%定率法

x1年4月1日に備品1,000,000円を取得した。なお、1円未満の端数が生じた場合は四捨五入する。(会計期間4月1日から3月31日)

(資料)

取得原価 1,000,000円
記帳方法 間接控除法
償却方法 250%定率法

定額法の償却率 0.100
耐用年数 10年
残存価額 ゼロ
保証率  0.04448
改定償却率 0.334

 

【解答・解説】

・ X1年4月1日

借方 金額 貸方 金額
備品 1,000,000 現金 1,000,000

 

・ X2年3月31日(1年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 250,000 減価償却累計額 250,000

250%定率法の償却率

定額法の償却率0.100×2.5=0.250又は1÷耐用年数10年×2.5=0.250

① 1,000,000×0.250=250,000

② 1,000,000×0.04448=44,480

③ 250,000>44,480 ∴ 250,000

 

・ X3年3月31日(2年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 187,500 減価償却累計額 187,500

① (1,000,000-250,000)×0.250=187,500

②  1,000,000×0.04448=44,480

③  250,000>44,480 ∴ 250,000

 

・ X4年3月31日(3年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 140,625 減価償却累計額 140,625

250,000+187,500=437,500(減価償却累計額)

① (1,000,000-437,500)×0.250=140,625

② 1,000,000×0.04448=44,480

③  250,000>44,480 ∴ 250,000

 

・ X5年3月31日(4年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 105,469 減価償却累計額 105,469

437,500+140,625=578,125(減価償却累計額)

① (1,000,000-578,125)×0.250=105,469

②  1,000,000×0.04448=44,480

③  105,469>44,480 ∴ 105,469

 

 

・ X6年3月31日(5年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 79,102 減価償却累計額 79,102

578,125+105,469=683,594(減価償却累計額)

① (1,000,000-683,594)×0.250=79,102

② 1,000,000×0.04448=44,480

③ 79,102>44,480 ∴ 79,102

 

・ X7年3月31日(6年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 59,326 減価償却累計額 59,326

683,594+79,102=762,696(減価償却累計額)

① (1,000,000-762,696)×0.250=59,326

② 1,000,000×0.04448=44,480

③ 59,326>44,480 ∴ 59,326

 

・ X8年3月31日(7年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 44,495 減価償却累計額 44,495

762,696+59,326=822,022(減価償却累計額)

① (1,000,000-822,022)×0.250=44,495

② 1,000,000×0.04448=44,480

③  44,495>44,480 ∴ 44,495

 

・ X9年3月31日(8年目、改定償却率1年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 44,583 減価償却累計額 44,583

822,022+44,495=866,517(減価償却累計額)

① (1,000,000-866,517)×0.250=33,371

② 1,000,000×0.04448=44,480

③ 33,371<44,480 ∴  改定償却率を使用

1,000,000-866,517=133,438(改定取得価額)

133,483×0.334=44,583

調整前償却額33,371円が償却保証額44,480円よりも小さい金額なので、改定取得価額133,438円に改定償却率0.334を乗じて償却費の額を計算します。

 

・ X10年3月31日(9年目、改定償却率2年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 44,583 減価償却累計額 44,583

133,438×0.334=44,583

 

・ X11年3月31日(10年目、改定償却率3年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 44,316 減価償却累計額 44,316

最終年では備忘価額が1円になるように償却します。

取得原価1,000,000-減価償却累計額955,683= 44,317(期首帳簿価額)

44,317-1=44,316

 

・ X11年8月31日(除却時、1円まで償却後)

<例>

除却費用10,000円を現金で支払って、備品を処分した。

借方 金額 貸方 金額
減価償却累計額 999,999 備品 1,000,000
固定資産除却損 10,001 ※1 現金 10,000

※1 除却費用10,000円+未償却残高1円=10,001円

 

参考:直接控除法で処理していた場合

借方 金額 貸方 金額
固定資産除却損 10,001 備品 1
現金 10,000

 

 

 

200%定率法

x1年4月1日に備品1,000,000円を取得した。なお、1円未満の端数が生じた場合は四捨五入する。(会計期間4月1日から3月31日)

 

(資料)

取得原価 1,000,000円
記帳方法 間接控除法
償却方法 200%定率法

定額法の償却率 0.100
耐用年数 10年
残存価額 ゼロ
保証率  0.06552
改定償却率 0.250

 

【解答・解説】

・ X1年4月1日

借方 金額 貸方 金額
備品  1,000,000 現金  1,000,000

 

・ X2年3月31日(1年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 200,000 減価償却累計額 200,000

200%定率法の償却率

定額法の償却率0.100×2=0.200又は1÷耐用年数10年×2=0.200

① 1,000,000×0.200=200,000

② 1,000,000×0.06552=65,520

③ 200,000>65,520 ∴  200,000

 

・ X3年3月31日(2年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 160,000 減価償却累計額 160,000

① (1,000,000-200,000)×0.200=160,000

②  1,000,000×0.06552=65,520

③ 160,000>65,520 ∴ 160,000

 

・ X4年3月31日(3年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 128,000 減価償却累計額 128,000

200,000+160,000=360,000(減価償却累計額)

① (1,000,000-360,000)×0.200=128,000

② 1,000,000×0.06552=65,520

③ 128,000>65,520 ∴ 128,000

 

・X5年3月31日(4年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 102,400 減価償却累計額 102,400

360,000+128,000=488,000(減価償却累計額)

① (1,000,000-488,000)×0.200=102,400

② 1,000,000×0.06552=65,520

③ 102,400>65,520 ∴ 102,400

 

・ X6年3月31日(5年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 81,920 減価償却累計額 81,920

488,000+102,400=590,400(減価償却累計額)

① (1,000,000-590,400)×0.200=81,920

② 1,000,000×0.06552=65,520

③ 81,920>65,520 ∴ 81,920

 

・ X7年3月31日(6年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 65,536 減価償却累計額 65,536

590,400+81,920=672,320(減価償却累計額)

① (1,000,000-672,320)×0.200=65,536

② 1,000,000×0.06552=65,520

③ 128,000>65,520 ∴ 65,536

 

・ X8年3月31日(7年目、改定償却率1年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 65,536 減価償却累計額 65,536

672,320+65,536=737,856(減価償却累計額)

① (1,000,000-737,856)×0.200=52,429

② 1,000,000×0.06552=65,520

③ 52,429<65,520 ∴ 改定償却率を使用

1,000,000-737,856=262,144(改定取得価額)

262,144×0.250=65,536

調整前償却額52,429円が償却保証額65,520円よりも小さい金額なので、改定取得価額262,144円に改定償却率0.250を乗じて償却費の額を計算します。

 

・ X9年3月31日(8年目、改定償却率2年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 65,536 減価償却累計額 65,536

262,144×0.250=65,536

 

・ X10年3月31日(9年目、改定償却率3年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 65,536 減価償却累計額 65,536

262,144×0.250=65,536

 

・ X11年3月31日(10年目、改定償却率4年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 65,535 減価償却累計額 65,535

最終年では備忘価額が1円になるように償却します。

取得原価1,000,000-減価償却累計額934,464= 65,536(期首帳簿価額)

65,536-1=65,535

 

・ X11年8月31日(除却時、1円まで償却後)

未償却残高(備忘価額)1円まで償却した資産を除却した場合、その1円を固定資産除却損に含めて処理します。

<例>

除却費用10,000円を現金で支払って、備品を処分した。

借方 金額 貸方 金額
減価償却累計額 999,999 備品 1,000,000
固定資産除却損 10,001 ※1 現金 10,000

※1 除却費用10,000円+未償却残高1円=10,001円

 

参考:直接控除法で処理していた場合

借方 金額 貸方 金額
固定資産除却損 10,001 備品 1
現金 10,000

 

取得から除却までの減価償却費のまとめ

上記の例題を表にまとめると下記のようになります。

250%定率法

減価償却費 減価償却累計額 未償却残高
(取得価額-減価償却累計額)
1年目 1,000,000×0.250=250,000 250,000 750,000
2年目 750,000×0.250=187,500 437,500 562,500
3年目 562,500×0.250=140,625 578,125 421,875
4年目 421,875×0.250=105,469 683,594 316,406
5年目 316,406×0.250=79,102 762,696 237,304
6年目 237,304×0.250=59,326 822,022 177,978
7年目 ① 177,978×0.250=44,495

② 1,000,000×0.04448=44,480

③  44,495>44,480 ∴ 44,495

866,517 133,483
8年目(改定償却率1年目) ① 133,483×0.250=33,371

② 1,000,000×0.04448=44,480

③ 33,371<44,480 ∴  改定償却率を使用

1,000,000-866,517=133,438(改定取得価額)

133,483×0.334=44,583

44,583 88,900
9年目(改定償却率2年目) 133,438×0.334=44,583 44,583 44,317
10年目(改定償却率3年目) 44,317-1=44,316 44,316
除却時 なし △999,999

 

200%定率法

減価償却費 減価償却累計額 未償却残高
(取得価額-減価償却累計額)
1年目 1,000,000×0.200=200,000 200,000 800,000
2年目 800,000×0.200=160,000 360,000 640,000
3年目 640,000×0.200=128,000 488,000 512,000
4年目 512,000×0.200=102,400 590,400 409,600
5年目 409,600×0.200=81,920 672,320 327,680
6年目 ① 327,680×0.200=65,536

② 1,000,000×0.06552=65,520

③ 128,000>65,520 ∴ 65,536

737,856 262,144
7年目 ① 262,144×0.200=52,429

② 1,000,000×0.06552=65,520

③ 52,429<65,520 ∴ 改定償却率を使用

1,000,000-737,856=262,144(改定取得価額)

262,144×0.250=65,536

803,392 196,608
8年目(改定償却率1年目) 262,144×0.250=65,536 868,928 131,072
9年目(改定償却率2年目) 262,144×0.250=65,536 934,464 65,536
10年目(改定償却率3年目) 65,536-1=65,535 999,999
除却時 なし △999,999

-簿記

© 2022 BIT 会計ファイナンス