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簿記

前払金が資産である理由について解説。前渡金や売掛金との違いは?

2021年2月2日

前払金は商品を購入する際に、代金の一部を前払いするときに使用する勘定科目で資産に計上します。

今回は前払金を資産に計上する理由と「前渡金」「売掛金」との違いについて解説します。

前払金を資産に計上する理由

前払金とは、商品などを仕入れる際に、仕入先に代金の一部を前払いしたときに発生する債権のことをいいます。

前払金は商品を取得する権利を意味するので、費用ではなく資産に計上します。

 

前払金と前渡金との違い

「前払金」と「前渡金」は同じ意味として使われます。
したがって、「前払金」と「前渡金」の違いはないと認識して大丈夫です。

簿記検定の問題文に「前払金」勘定が使用されていた場合は「前払金」勘定を使って解答する必要があります。

「前払金」勘定で解答する指示があるのに、「前渡金」勘定を使って解答してしまった場合は減点されるので注意してください。

 

思い込みに注意して、落ち着いて問題文を読もう。

 

前払金と売掛金との違い

「前払金」と「売掛金」はどちらも債権ですが、性質が異なります。

「前払金」は金銭債権ではないので貸倒引当金の対象にはなりませんが、「売掛金」は金銭債権なので貸倒引当金の対象になります。

 

仕訳パターン

・前払いをしたとき
商品1,000円を注文し、手付金として200円を現金で支払った。

借方 金額 貸方 金額
前払金(前渡金) 200 現金 200

 

・仕入時
注文していた商品を受け取り、手付金を差し引いた残額800円を掛とした。

借方 金額 貸方 金額
仕入 1,000 前払金(前渡金) 200
買掛金 800

 

具体例

次に掲げる取引について、仕訳を示しなさい。

  1.  商品3,000円を注文し、内金として500円を現金で支払った。
  2.  注文していた商品を受け取り、内金を差し引いた残額2,500円を現金で支払った。

【解答・解説】
1.

借方 金額 貸方 金額
前払金 500 現金 500

 

2.

借方 金額 貸方 金額
仕入 3,000 前払金 500
現金 2,500

問題文に使用する勘定科目が指示されていないので、「前払金」を「前渡金」と記載しても正解です。

 

まとめ

  • 前払金は商品を取得する権利のため、資産に計上する。
  • 「前払金」と「前渡金」は同じ意味なので違いはない。
  • 「前払金」は金銭債権ではないが「売掛金」は金銭債権である。
  • 「前払金」は貸倒引当金の対象とならないが「売掛金」は貸倒引当金の対象となる。

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