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【簿記】他社が運営するポイントの仕訳、会計処理について解説

2021年8月16日

企業が顧客に付与するポイントには、自社が運営するポイントと他社が運営するポイントの2種類があります。

この記事では、他社が運営するポイントの会計処理について解説します。



他社ポイントとは

他社ポイントとは、他社が運営するポイントを購入して、そのポイントを自社の顧客に付与するものです。

収益認識基準では、企業が商品などの販売時に顧客に付与した他社ポイントは、他社への支払額として「未払金」に計上し、その未払金を控除した金額を売上として収益認識します。

また、顧客が他社ポイントを使用した場合は「未収金」に計上します。

勘定科目 貸借対照表の表示区分
未払金 流動負債
未収金 流動資産

 

商品販売時(他社ポイントの付与)

A社は第三者であるB社が運営するポイントプログラムに参加している。当該プログラムでは、A 社の商品を購入した顧客に対し、購入時に購入価額100円につきB社ポイントが 1 ポイント付与される。その後、A社はB社に対し、1ポイントにつき1円を支払う。

(1) x1年10月3日、A社は顧客に商品100,000円を現金で販売し、B社ポイントが 1,000 ポイント付与される旨を顧客に伝達した。

借方 金額 貸方 金額
現金 100,000 売上 99,000
未払金 1,000

 

他社への支払時(ポイント相当額)

x1年12月31日、A社は5,000円分のB社ポイントをB社に現金で支払った。

借方 金額 貸方 金額
未払金 5,000 現金 5,000

 

ポイント使用時

x2年1月15日、A社は顧客に商品1,000円を販売した。顧客はB社ポイント1,000円分を使用して決済した。

借方 金額 貸方 金額
未収金 1,000 売上 1,000

 

他社からの受領時(ポイント相当額)

x2年3月31日、A社は顧客が使用した2,000ポイント相当額をB社から受領した。

借方 金額 貸方 金額
現金 2,000 未収金 2,000

 

具体例

下記の資料に基づいて、問1~問3の仕訳を示しなさい。

<資料>
甲社は第三者である乙社が運営するポイントプログラムに参加している。当該プログラムでは、甲社の商品を購入した顧客に対し、購入時に購入価額100円につき乙社ポイントが 1ポイント付与される。その後、甲社は乙社に対し、1ポイントにつき1円を支払う。

 

問1
x3年5月4日、甲社は顧客に商品5,000円を現金で販売し、乙社ポイントを付与した。

 

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
現金 5,000 売上 4,950 ※2
未払金 50 ※1

※1 5,000円×1%=50円
※2 5,000円-50円=4,950円

 

問2
x3年5月27日、甲社は顧客に商品5,000円を販売し、顧客は現金3,000円と乙社ポイント2,000円分を使用して決済した。

 

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
現金 3,000 売上 4,970 ※2
未収金 2,000 未払金 30 ※1

※1 (商品5,000円-ポイント2,000円)×1%=30円
販売価格からポイント分を控除した残額にも、他社ポイントがつくので未払金に計上します。

※2 5,000円-30円=4,970円

 

問3
x3年12月31日、甲社は10,000円分の乙社ポイントを乙社に現金で支払った。

 

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
未払金 10,000 現金 10,000

 

まとめ

  • 他社ポイントを付与した場合は、未払金に計上する。
  • 未払金(他社ポイント)を控除した金額を売上に計上する。
  • 顧客が他社ポイントを使用した場合は「未収金」に計上する。

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