財政状態という言葉は、簿記の最初の方に登場する専門用語で、多くの方が難しいと感じる部分です。
この記事では、財政状態という言葉について、わかりやすく解説します。
目次
財政状態とは
財政状態とは、「資金をどのように調達し、その資金をどのように運用しているのか」を指します。
資金の調達方法は負債と資本で表され、資金の運用状況は資産で表されます。
なお、財政状態は、会計書類の一つである貸借対照表で報告されます。
貸借対照表で分かる財政状態
簿記の目的の一つは、企業の財政状態を明らかにすることです。財政状態を知るためには、企業の資産、負債、純資産(資本)の情報が必要です。これらの情報をまとめたものが「貸借対照表」となります。
貸借対照表は、左側に「資産」の勘定科目と金額を、右側に「負債」と「純資産」の勘定科目と金額を記入します。
「資産 = 負債 + 純資産」という式が成り立つため、左側の金額の合計と右側の金額の合計は必ず一致します。
簿記では、左側を「借方」、右側を「貸方」と呼びますが、ここでの「借」や「貸」は、「借りる」や「貸す」という意味ではありません。単に左側が借方、右側が貸方というだけです。
実際の貸借対照表を具体的に示すと、次のようになります。
「資産 = 負債 + 資本」という式が成り立つため、左側の高さ(資産の合計)と右側の高さ(負債と資本の合計)は同じになります。
貸借対照表を図で表すと、次のようになります。
まとめ
財政状態とは、「資金をどのように調達し、その資金をどのように運用しているのか」を指し、貸借対照表によって報告される。
貸借対照表では、左側に「資産」、右側に「負債」と「純資産」を記入する。「資産 = 負債 + 純資産」が成り立つため、左側と右側の金額は一致する。