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簿記

仕訳の基本とよく出るパターンについて解説

2024年10月22日

簿記を学ぶ上で最初に理解すべき基本が「仕訳」です。仕訳は、取引を帳簿に記録するための方法で、簿記の基礎となります。仕訳を正しく理解することで、簿記全体の学習がスムーズになります。

この記事では、「仕訳の基本概念」から実際の記入方法、具体例までを解説します。難しく感じるかもしれませんが、取引をどのように記録するかを理解すれば、簿記の他の部分も自然に身につきます。それでは、仕訳の基本から見ていきましょう。

 

仕訳の基本概念

仕訳は、借方と貸方のセットで行います。取引の8要素(または10要素)に基づくと、次の25パターンが考えられます。

借方/貸方 資産の減少 負債の増加 資本の増加 収益の発生 費用の減少
資産の増加 1 2 3 4 5
負債の減少 6 7 8 9 10
資本の減少 11 12 13 14 15
収益の減少 16 17 18 19 20
費用の発生 21 22 23 24 25

 

よく出てくるパターン

これらの25パターンすべてが均等に出題されるわけではありません。よく出てくるのは次の6つの組み合わせです。

借方 貸方
資産の増加 資産の減少
資産の増加 負債の増加
資産の増加 資本の増加
資産の増加 収益の発生
負債の減少 資産の減少
費用の発生 資産の減少

注目すべき点は、これら6つの組み合わせにおいて、すべて資産の増減が関係していることです。

仕訳を考える際には、まず資産に注目すれば、ほとんどの仕訳をカバーできるということです。資産以外のグループも理解し覚える必要がありますが、資産に注目することで仕訳を簡単に考えることができます。

 

仕訳の具体例

具体例1:「(借)資産の増加/(貸)資産の減少」

資産同士の組み合わせである『(借)資産の増加/(貸)資産の減少』について考えてみましょう。

 

 財産の購入

建物や備品などの財産を購入する場合、代金を支払うことで資産が減少し、その代わりに新たに購入した資産が増加します。

 

例題
備品500,000円を現金で購入した。

借方 金額 貸方 金額
備品 500,000 現金 500,000

現金という資産が500,000円減少します。資産の減少は貸方に記入するので、『(貸)現金300,000』となります。一方、備品という資産が500,000円増加します。資産の増加は借方に記入するので、『(借)備品500,000』となります。

 

投資

余ったお金を運用するためにお金を貸し付ける場合、貸し付けたお金という資産が減少し、返済を請求する権利である「貸付金」が資産として増加します。

 

例題
現金1,000,000円を資産運用のため貸し付けた。

借方 金額 貸方 金額
貸付金 1,000,000 現金 1,000,000

現金という資産が1,000,000円減少します。資産の減少は貸方に記入するので、『(貸)現金1,000,000』となります。貸付金という資産が1,000,000円増加します。資産の増加は借方に記入するので、『(借)貸付金1,000,000』となります。

 

債権の回収

売掛金などの債権を実際の財産で回収すると、その債権は消滅し、資産が増加します。

 

例題
売掛金のうち600,000円を現金で受け取った。

借方 金額 貸方 金額
現金 600,000 売掛金 600,000

現金という資産が600,000円増加します。資産の増加は借方に記入するので、『(借)現金600,000』となります。売掛金という資産が600,000円減少します。資産の減少は貸方に記入するので、『(貸)売掛金600,000』となります。

 

具体例2:「(借)資産の増加/(貸)負債の増加」

借入金

事業を運営するために、銀行などからお金を借りる場合、現金などの資産が増加し、その一方で返済義務が生じる負債も増加します。

 

例題
銀行から現金3,000,000円を借り入れた。

借方 金額 貸方 金額
現金 3,000,000 借入金 3,000,000

現金という資産が3,000,000円増加します。資産の増加は借方に記入するので、『(借)現金3,000,000』となります。借入金という負債が3,000,000円増加します。負債の増加は貸方に記入するので、『(貸)借入金3,000,000』となります。

 

具体例3:「(借)資産の増加/(貸)資本の増加」

元入れ(出資)

元入れとは、事業主自身が自分の企業に資金を提供することを指します。これにより、資産が増加し、資本も増加します。

 

例題
現金1,000,000円を元入れして開業した。

借方 金額 貸方 金額
現金 1,000,000 資本金 1,000,000

現金という資産が1,000,000円増加します。資産の増加は借方に記入するので、『(借)現金1,000,000』となります。資本金という資本が1,000,000円増加します。資本の増加は貸方に記入するので、『(貸)資本金1,000,000』となります。

 

まとめ

仕訳は簿記の基本で、取引を帳簿に正確に記録するための重要な手続きです。
仕訳を理解することで、簿記全体の学習が効率よく進みます。

取引における「借方」と「貸方」の関係をしっかり覚え、資産、負債、資本の増減を正しく理解することが重要です。
特に、仕訳のパターンには資産に関するものが多く、まずは資産に注目することで、ほとんどの仕訳を把握できます。

具体的な取引例を通じて、「資産の増減」「負債や資本の増減」の仕訳を覚えることが大切です。

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