今回の試験では、商業簿記と会計学では難易度の高い問題が多く、特に会計学では応用力が求められました。商業簿記では基本的な概念と計算方法の理解が重要でした。工業簿記や原価計算は比較的易しく、計算方法と理論的背景を把握していれば得点しやすい内容でした。
全体として、基礎力と応用力のバランスを保ち、冷静に部分点を意識しながら解答することが求められました。
以下では、各科目の具体的な分析と解答戦略を紹介します。
目次
商業簿記
- 難易度: 普通
- ボリューム: 普通
- 目標点数: 18点(最低ラインは15点)
解説
商業簿記は、難易度とボリュームともにバランスの取れた内容でした。基礎的な論点の理解に加え、細かい知識の積み重ねが求められました。解きやすい問題もありましたが、細かい部分の理解が不足していると失点につながる問題もありました。
解答戦略
商業簿記では、基本的な論点を確実に押さえることが鍵です。特に返品権付き販売や受注ソフトウェア開発などの基礎テーマには自信を持って取り組みましょう。計算量が少ない場合でも、処理方法を深く理解し、問題文から重要な情報を見逃さないことが重要です。難易度の高い問題や細かい論点は、他の問題で得点を重ねるために後回しにするのも戦略の一つです。
会計学
- 難易度: 高い
- ボリューム: 普通~多め
- 目標点数: 15点(最低ラインは10点)
解説
会計学は非常に難易度が高く、特に第2問の連結会計(在外子会社・包括利益)は難解でした。第1問でしっかり得点を積み重ねることが重要です。理論問題では、細かい表現が点数に大きく影響します。連結会計については、単なる仕訳の暗記ではなく、企業統合の本質を理解することがカギとなります。
解答戦略
まず第1問で確実に得点を狙いましょう。理論問題では、表現ミスが致命的となることがあるため、慎重に記述することが求められます。第2問は連結会計の応用問題ですが、計算を丸暗記するのではなく、財務諸表の構築方法に対する理解が重要です。計算量が多いため、すべてに時間をかけすぎず、他の問題で確実に得点しつつ冷静に解き進めることが大切です。
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工業簿記
- 難易度: 易しい
- ボリューム: 普通
- 目標点数: 20点
解説
工業簿記は、商業簿記や会計学に比べて解きやすく、問題もシンプルでした。第1問は語群選択形式で、基本的な計算過程や元帳の名称を言葉で表現する力が試されました。第2問では、直接原価計算と全部原価計算の比較問題が出題され、計算方法の理解が求められました。
解答戦略
計算問題においては、答えを出すだけでなく、計算過程をしっかりと理解し、自分の言葉で説明できるようにしましょう。計算方法の背景や、理論と実務がどう結びつくかを意識して学習を進めることが重要です。
原価計算
- 難易度: 易しい
- ボリューム: 少なめ
- 目標点数: 22点
解説
原価計算は問題量が少なく、一問一答のミスが致命的となりやすい試験でした。第1問では戦略的原価計算の理解を問われ、特にLCC(ライフサイクルコスト)のトレードオフ関係を学習していると有利でした。第2問では異常仕損品の会計処理についての理解が求められました。
解答戦略
計算問題に集中しすぎず、会計処理の理論的背景をしっかり学びましょう。計算の背後にある理論を理解し、「理論に基づいた計算」ができるよう意識して取り組むことが大切です。
総評
今回の試験は、各科目で基礎力と応用力のバランスが求められました。商業簿記は基礎的な理解が重要であり、細かい部分に対する注意が必要でした。会計学は難易度が高く、特に連結会計では本質的な理解が試されました。
工業簿記と原価計算は比較的易しく、理論的背景をしっかり学べば得点が取りやすい内容でした。
全体として、冷静に解答し、部分点を意識して確実に得点を積み上げることが求められる試験でした。