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簿記

【簿記】株式の発行、剰余金の配当・処分に関する仕訳・会計処理について解説

2024年8月8日

この記事では、株式の発行に関する一連の仕訳・会計処理について解説します。

 

株式の発行

株式の発行とは、株式会社が資金調達などを目的として株式を発行することです。株式を購入した株主からの払込金額は、原則としてその払込金額の全額を資本金とします。

問題文の指示で、払込金額を「資本金」と「資本準備金」に按分して計上することもあります。

 

貸借対照表の表示区分と表示科目

資本金は貸借対照表(B/S)の「純資産」に分類されます。純資産が増加すれば貸方、減少すれば借方に記入します。

 

例題

会社設立時に1株当たり5,000円で100株を発行し、払込金が当座預金に入金された。

借方 金額 貸方 金額
当座預金 500,000 資本金 500,000

@5,000円×100株=500,000円

 

剰余金の配当・処分

株式会社の場合、会社の設立や運営に必要な資金を提供するのは株主であり、株主が株式会社の実質的な所有者となります。
株式会社が事業活動を通じて得た利益をどのように使うかなどは、株主が株主総会で決定します。

株主総会において剰余金(利益)の使い道を決定することを「剰余金の処分」といい、株主に対して配当金を支払うことを「剰余金の配当」といいます。

 

剰余金の配当と処分の処理方法

・決算時の仕訳
当期純利益は700,000円であった。

借方 金額 貸方 金額
損益 700,000 繰越利益剰余金 700,000

不測の損失等に備えて会社内に一定額を積み立てておく制度を準備金といいます。会社法では、株主に配当金を支払う際に一定額を利益準備金(純資産)として積み立てることを要求しています。

 

・株主総会時の仕訳
株主総会での繰越利益剰余金の配当および処分は以下のとおりである。
配当金:20,000円 利益準備金:5,000円

借方 金額 貸方 金額
繰越利益剰余金 25,000 未払配当金 20,000
利益準備金 5,000

※ 株主総会で配当金の支払額を決定しますが、実際の支払いは後日となります。そのため、配当金は「未払配当金」(負債)として処理します。

不測の損失等に備えて会社内に一定額を積み立てておく制度を準備金といいます。会社法では、株主に配当金を支払う際に一定額を利益準備金(純資産)として積み立てることを要求しています。

 

・配当金を支払った時の仕訳
未払配当金20,000円を当座預金から支払った。

借方 金額 貸方 金額
未払配当金 200,000 繰越利益剰余金 20,000

※ 後日、企業が配当金を支払った時に未払配当金を減少させます。

 

まとめ

  • 株主からの払込金額は、原則としてその払込金額の全額を「資本金」に計上する。
  • 株主総会において剰余金(利益)の使い道を決定することを「剰余金の処分」といい、株主に対して配当金を支払うことを「剰余金の配当」という。
  • 剰余金の配当や処分を決議した時に「繰越利益剰余金」が減少させ、配当金の未払額は「未払配当金」に計上する。

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