商品を販売または購入する際、通常、代金に消費税が加算されます。消費税の取り扱い方法には主に「税込経理方式」と「税抜経理方式」の2つがあります。
本記事では、そのうち「税込経理方式」を取り上げ、基本的な仕訳方法と決算時の消費税処理について、具体例を交えてわかりやすく解説します。
\ 期間限定20%OFFセール中 /
合格を目指して学習スタート!
税込経理方式とは
税込経理方式では、売上や仕入れ時の本体価格と消費税を区別せず、消費税を含んだ総額で取引を記帳します。具体的には、売上時には消費税を含む金額を「売上」として計上し、仕入れ時にも消費税を含む金額を「仕入」として記帳します。
具体例
1. 売上時
商品11,000円(本体価格10,000円、消費税1,000円)を販売し、代金を現金で受け取った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 11,000 | 売上 | 11,000 |
この取引では、消費税込みの金額11,000円を「売上」として記録します。「仮受消費税等」勘定は発生しません。
2. 支払時
商品22,000円(本体価格20,000円、消費税2,000円)を購入し、代金を現金で支払った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仕入 | 22,000 | 現金 | 22,000 |
仕入れ時も消費税込みの金額22,000円を「仕入」として記録します。「仮払消費税等」勘定は発生しません。
決算時の消費税処理
1. 預かった消費税が多い場合
決算時に、売上時に預かった消費税が仕入れ時に支払った消費税を3,000円上回った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
租税公課 | 3,000 | 未払消費税等 | 3,000 |
この場合、売上時に預かった消費税が仕入れ時に支払った消費税を上回っているため、差額3,000円は「未払消費税等」として計上します。この仕訳は、決算時に未払いの消費税を処理するためのものです。
2. 支払った消費税が多い場合
決算時に、仕入れ時に支払った消費税が売上時に預かった消費税を3,000円上回った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
未収消費税等 | 3,000 | 雑収入(または雑益) | 3,000 |
仕入れや経費で支払った消費税が売上で預かった消費税を上回った場合、その差額3,000円は「未収消費税等」として計上し、相手科目として「雑収入」や「雑益」を使用します。この仕訳は、支払った消費税の差額を回収するためのものです。
まとめ
税込経理方式では、消費税を本体価格と分けずに、税込みの金額で取引を記録します。期中の取引は消費税込みで記帳し、決算時には売上時に預かった消費税と支払った消費税との差額を処理します。
- 預かった消費税が多い場合:差額は「未払消費税等」として計上。
- 支払った消費税が多い場合:差額は「未収消費税等」として計上。
これにより、消費税の適切な処理が行われ、決算時に必要な調整がスムーズに進みます。
\ 期間限定20%OFFセール中 /
合格を目指して学習スタート!