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仕訳例

源泉徴収の基本と報酬支払時の仕訳処理【税込・税抜パターン別に解説】

2025年9月10日

ライター・デザイナー・講師・作曲家など、個人のフリーランスに報酬を支払う場合には、「源泉徴収」が必要なケースがあります。

この記事では、会計・経理担当者が知っておくべき源泉徴収の基本ルールから、消費税を含む支払時の仕訳処理まで、具体例を交えてわかりやすく解説します。

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源泉徴収の対象となる報酬とは?

以下のような業務に対して、個人に報酬を支払う場合には、所得税および復興特別所得税の源泉徴収が必要です。

  • 原稿執筆料(ライター業)
  • デザイン料
  • 作曲・編曲料
  • 講演料・講師謝礼
  • 技術指導料 など

※ 法人への支払いは、原則として源泉徴収不要です。支払先が「個人」か「法人」かを必ず確認しましょう。

 

仕訳に使用する勘定科目

源泉徴収対象となる報酬の会計処理では、以下のような勘定科目を使用するのが一般的です。

  • 支払手数料
  • 外注費
  • 報酬・料金

※ 勘定科目の選定に法律上の制約はありませんが、実態に合わせて選定し、継続して使うことが望ましいです。

 

源泉徴収税率のルール

所得税法では、報酬額に応じて次の通り源泉税率が定められています(復興特別所得税を含む)。

1回の支払額 適用される税率
100万円以下 10.21%
100万円超 100万円まで:10.21%
100万円超部分:20.42%

※ 2013年より、復興特別所得税(0.21%)が上乗せされています。

 

消費税がある場合の源泉徴収

源泉徴収を行う際、消費税の取り扱いについては注意が必要です。

請求書の記載方法によって、源泉徴収の対象となる金額が異なるため、原則と例外を正しく理解しておくことが大切です。

原則:税込金額を対象とする

請求書に消費税が明記されていない場合、報酬の「税込金額」全体が源泉徴収の対象になります。

 

例外:税抜金額を対象とできるケース

請求書に報酬と消費税が明確に区分されている場合には、「税抜金額」のみを源泉徴収の対象とすることが可能です。

※ 出典:平成元年直法6-1、平成26年課法9-1改正

 

1回あたりの支払金額の定義

源泉徴収税率の判定における「1回の支払額」とは、実際に1回で支払う報酬金額を指します。

具体例

講演料200万円を5回に分けて、毎回40万円ずつ支払う場合

  • 各支払が100万円以下のため、毎回 10.21% の税率が適用されます。

 

報酬支払い時の具体例(源泉徴収あり)

次に、源泉徴収が発生する報酬支払いの仕訳例を、「税込」と「税抜」の2パターンで解説します。

税込パターン:消費税が記載されていない場合

例題1

原稿料550,000円(税込)を現金で支払った。

  • 支払先:個人ライター
  • 報酬額:550,000円(税込)

源泉徴収の計算

源泉徴収税率:100万円以下の部分に対して 10.21%

源泉徴収額:550,000円 × 10.21% = 56,155円

実際の支払額:550,000円 − 56,155円 = 493,845円

仕訳

借方 金額 貸方 金額
支払手数料 550,000 現金 493,845
預り金 56,155

 

例題2

講演料 2,750,000円(税込) を小切手で支払った。

  • 支払先:著名人(個人)
  • 報酬額:2,750,000円(税込)

源泉徴収税率

  • 100万円以下の部分:10.21%
  • 100万円超の部分:20.42%

源泉徴収の計算
1,000,000円 × 10.21% = 102,100円
1,750,000円 × 20.42% = 357,350円
源泉徴収額合計:459,450円

実際の支払額:2,750,000円 − 459,450円 = 2,290,550円

仕訳

借方 金額 貸方 金額
支払手数料 2,750,000 当座預金 2,290,550
預り金 459,450

 

税込処理のポイント

  • 消費税が不明の場合、税込全額が源泉徴収対象
  • 預かった税金は「預り金」として処理
  • 納付期限は原則、翌月10日

 

税抜パターン:請求書に消費税が明記されている場合

例題3

原稿料500,000円、消費税50,000円の合計550,000円を現金で支払った。

  • 支払先:個人ライター
  • 報酬額:500,000円(税抜)

源泉徴収の計算

源泉徴収税率:100万円以下の部分に対して 10.21%
源泉徴収額:500,000円 × 10.21% = 51,050円

実際の支払額:550,000円 − 51,050円 = 498,950円

仕訳

借方 金額 貸方 金額
支払手数料 500,000 現金 498,950
仮払消費税等 50,000 預り金 51,050

 

例題4

講演料 2,500,000円、消費税250,000円の合計2,750,000円を小切手で支払った。

  • 支払先:著名人(個人)
  • 報酬額:2,500,000円(税抜)

源泉徴収の計算

  • 100万円以下の部分:10.21%
  • 100万円超の部分:20.42%

源泉徴収の計算
1,000,000円 × 10.21% = 102,100円
1,500,000円 × 20.42% = 306,300円
源泉徴収額合計:408,400円

実際の支払額:2,750,000円 −408,400円 = 2,341,600円

仕訳

借方 金額 貸方 金額
支払手数料 2,500,000 当座預金 2,341,600
仮払消費税等 250,000 預り金 408,400

 

税抜処理のポイント

  • 消費税が明示されていれば、税抜金額のみが源泉徴収対象
  • 仮払消費税等を別途計上する
  • 源泉徴収分は「預り金」へ計上 → 翌月10日までに納付

 

まとめ

  • 源泉徴収額の計算方法は、税込 or 税抜で異なる
  • 報酬が100万円を超えると、税率が段階的に変わる
  • 請求書に消費税の記載があるか必ずチェック
  • 預かった源泉税は「預り金」として計上 → 納付期限は翌月10日

経理・総務担当者は、支払先の属性(個人 or 法人)、請求書の内容、支払金額に注意して、正確な会計処理を行いましょう。

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